血液脳関門 の変更点

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

#author("2021-02-06T19:34:08+09:00","","")
 ''血液脳関門''とは、[[脳]]や[[脊髄]]の中を通る[[毛細血管]]の壁が,物質がなんでも自由にすり抜けられないようになっていることを指す用語.[[血液]]と一緒に流れてくる異物や病原体などが,脳や脊髄に入り込んで,[[ニューロン]](神経細胞)に悪い影響を及ぼさないために役立っている.

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|[[血液脳関門]] |けつえきのうかんもん |
|>|英語|blood-brain barrier |ブ''ラ''ッド・ブ''レ''イン・''バ''リア |
|>|略語|BBB |ビー・ビー・ビー |

 [[毛細血管]]の壁は,通常は[[血液]]中に含まれる栄養素と周辺の組織に含まれる老害物を交換しやすいように,物質が通り抜けやすいようにできている.しかし,[[器官]]によっては,毛細血管が特殊化して,物質の通りやすさがコントロールされている.[[脳]]にあるのもその一例で,血液脳関門という.

 [[毛細血管]]の壁を作っているのは[[内皮細胞]]という薄っぺらい[[細胞]]だが,[[脳]]や[[脊髄]]などの[[中枢神経系]]の[[神経組織]]中を通る毛細血管では,この内皮細胞が互いに強く結合して物質が通りにくくなっている.栄養分などの[[ニューロン]]が必要とするものは,それだけを選択的に通すための[[トランスポーター]]があって,積極的に神経組織内へと運ばれる.

 [[毛細血管]]の壁のすぐ外側には,[[神経組織]]の[[グリア細胞]]の一種である[[アストロサイト]](星状膠細胞)からのびる突起がびっしりとはりつき,内皮細胞の外側にもう1層のバリアをつくっている.ニューロンに必要な栄養は,アストロサイトによってニューロンまで運ばれる.


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