ウィリスの動脈輪
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
大脳動脈輪でこの項目を参照しています
ウィリスの動脈輪とは、大脳に入る直前の数本の動脈が、つながりあって輪を作っている構造のこと。大脳動脈輪ともいう。
用語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | ウィリス(の)動脈輪* | ウィリス(の)どうみゃくりん |
大脳動脈輪 | だいのうどうみゃくりん | ||
ウィリスの大脳動脈輪* | ウィリスのだいのうどうみゃくりん | ||
ウィリス輪* | ウィリスりん | ||
ウィリス環* | ウィリスかん | ||
英語 | arterial circle of Willis | アーテリアル・サークル・オブ・ウィリス | |
Willis' arterial circle | ウィリス・アーテリアル・サークル | ||
cerebral arterial circle | セレブラル・アーテリアル・サークル | ||
artecrial circle of cerebrum | アーテリアル・サークル・オブ・セレブラム | ||
cerebral arterial circle of Willis | セレブラル・アーテリアル・サークル・オブ・ウィリス | ||
Willis' circle | ウィリス・サークル | ||
circle of Willis | サークル・オブ・ウィリス |
* ウイリスとも書く |
ウィリス Willis は人名で、トーマス・ウィリス Thomas Willis のこと。17世紀のイギリスの医師の名前で、はじめて大脳動脈輪の完全な構造を明らかにした人。
ちなみに、「ウィリスの大動脈輪」というものはない(「大脳」動脈輪)。大動脈輪は頭部ではなくて、胸部にある別の構造。
構造 †
ウィリスの動脈輪は、頭蓋腔内にあって、脳底に接しており、間脳の下側にある視交叉を囲むような場所にある。血管が直径3 cm 前後の輪をつくっている。この「輪」に血液が流れ込むのは、脳に血液を運ぶ4本の動脈から。これは、左右の内頚動脈と左右の椎骨動脈で、左右の椎骨動脈は合わさって1本の脳底動脈になって内頚動脈と合流する。ウィリスの動脈輪から出て、大脳に入っていく動脈は、前・中・後大脳動脈が左右1対ずつあるので、全部で6本。