超薄切片

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 超薄切片とは、透過型電子顕微鏡で観察するのにちょうどよい厚さの組織細胞の薄切りスライス(組織切片または切片)のこと。ふつうの顕微鏡光学顕微鏡)に適した厚さの切片よりもずっと薄いことからこう呼ばれる。

言語表記発音、読み方
日本語医学超薄切片ちょうはくせっぺん
英語ultrathin sectionルトラ-スィン・クション

 ふつうの光学顕微鏡用の組織切片の厚さは数 μm 程度だが、この厚さでは透過型電子顕微鏡で、例えば細胞小器官の断面を観察するには厚すぎる。透過型電子顕微鏡では、厚さ数十 nm ~百数十 nm 程度の厚さがちょうどよい。光学顕微鏡用の標本は薄切しやすいように、あらかじめパラフィンなどの中に固めたり、凍らせたりする。しかし、その方法では超薄切片ほど薄く切れない。標本をプラスチックの一種のエポキシ樹脂の中に固めておいたものを薄切するのが一般的。

カテゴリー: 材料と方法

 
 

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