僧帽筋 のバックアップ(No.6)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 僧帽筋とは、の後ろ(項部)から背中の上部、にかけて広がる大型ので、この部位でもっとも表層にある筋。働きは、背骨(脊柱)から肩甲骨鎖骨を引っ張ることで、上肢全体を支えている。肩こりの原因となる筋のひとつ。

言語表記発音、読み方
日本語医学僧帽筋*そうぼうきん
英語trapezius (muscle)**トゥラーズィアス(・ッスル)
cowl muscle*ウル・ッスル
ラテン語musculus trapezius**ムスクルス・トラペズィウス
* 僧帽筋は cowl muscle の訳で、カトリックの僧侶(ベネディクト会修道士)のつける頭巾(フード)の形から
** trapezius は、ラテン語で台形の意味。背中側から見ると左右あわせた僧帽筋は、ダイヤ型をしているため
写真:カトリック(ベネディクト会)の礼拝。修道士のローブのフード部分の形が僧帽筋の名前の由来*1
僧帽筋の名前の由来(ベネディクト会の礼拝)

起始と停止

 起始は頭蓋後頭骨と第1頚椎〜第12胸椎。停止は鎖骨の外側部、肩甲骨肩峰から肩甲棘の全体にかけて。

働き

 肩甲骨と、肩甲骨の支点となる鎖骨につき、肩甲骨さらには上肢を支えている。肩をすくめる動きのとき、肩甲骨を上に引き上げる動き(挙上)や、上肢を真上に挙げるとき、肩甲骨を回転させ、肩関節を斜め上に向ける動き(外転)など。

神経と血管

 大きな筋で、上部と下部で支配神経が異なる。上部は第11脳神経副神経、下部は頚神経叢(第1〜4頚神経前枝)の支配。

カテゴリー: 運動器系 | 筋系 | | 上肢帯 | 胸部


*1 Source :Roman Catholic monks of the Order of Saint Benedict singing Vespers on Holy Saturday at St. Mary's Abbey in Morristown, New Jersey, USA, Authoer: John Stephen Dwyer (Boston at en.wikipedia). reproduced and modified. Permission: CC-BY-SA-3.0. この画像は CC-BY-SA-3.0 ライセンスに従って再利用可能です
 
 

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