外膜 のバックアップ(No.3)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 外膜とは、内臓などの一番表面を覆っている層によく使われる名前。

* tunica adventitia を省略した形
** 子宮外膜心外膜などでは、この英語での呼び方を使わない(下の節を)
言語表記発音、読み方
日本語医学外膜がいまく
ラテン語・英語adventitia*,**(英語読み)アドゥヴァンティーシャ
(ラテン語読み)アドゥウェンティティア
tunica adventitia**(英語読み)テュニカ・アドゥヴァンティーシャ
(ラテン語読み)トゥニカ・アドゥウェンティティア

 内臓などの表面には、線維の少ない、ゆるい結合組織(=疎性結合組織)の層があることがある。その器官と周囲の構造との間を埋め、ゆるく固定し、クッションの働きもある。脂肪組織も混ざる。

 外膜のある器官の例:血管動脈静脈)、食道精嚢

目次
 

外膜とは呼ばない場合

 器官の表面の結合組織の層なのに、外膜と呼ばない場合もある。

腹膜、強膜などにおおわれている場合

 その器官が、腹膜胸膜などに覆われている場合は、外膜っぽい疎性結合組織の層のすぐ外側に中皮が1層あることになる。結合組織中皮をあわせて、漿膜と呼ぶ。胸膜や腹膜は漿膜。

 脾臓

例外

 器官が漿膜に覆われているのに外膜と呼ばれる例: 心臓心外膜(=心膜)、子宮子宮外膜

密性結合組織の層の場合

 器官を包んでいる結合組織が、線維が多く、はっきりした強い膜(=密性結合組織)のとき(器官が強い殻に包まれているようにみえる)は、外膜でなく、被膜と呼ばれる。

 腎臓前立腺

特殊な構造の外膜

心外膜

詳細は心外膜の項目にあります

関連する内容が心膜の項目にあります

 心臓外膜とは、つまり 心外膜とは、心膜の一部で、心臓の壁の厚い心筋層の外側を覆っている薄い膜。脂肪組織の多い疎性結合組織とその表面の中皮とからできている。

* 心膜は、心臓の周囲の空間である心嚢の周りの膜なので、心臓の表面(臓側葉)と心嚢の外側を覆う部分(壁側葉)とからなる。心膜の全体を指す英語は、pericardium。詳細は心膜
言語表記発音、読み方
日本語医学心外膜しんがいまく
心膜*しんまく
ラテン語・英語epicardium(英語読み)エピーディアム
(ラテン語読み)エピカルディウム

子宮外膜

詳細は子宮外膜の項目にあります

 子宮外膜とは、つまり子宮外膜とは、子宮の外側を覆っている薄い層のこと。全体として線維をそれほどびっしり含まない結合組織(=疎性結合組織)の層で、一部では表面に腹膜の中皮がある。

* 心膜は、心臓の周囲の空間である心嚢の周りの膜なので、心臓の表面(臓側葉)と心嚢の外側を覆う部分(壁側葉)とからなる。心膜の全体を指す英語は、pericardium。詳細は心膜
言語表記発音、読み方
日本語医学子宮外膜しきゅうがいまく
外膜*がいまく
ラテン語・英語perimetrium(英語読み)ペリートゥリアム
(ラテン語読み)ペリメトゥリウム
 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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