肝臓 のバックアップ(No.5)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 肝臓とは、腹部にある最大の器官で成人での重さは 1 kg 以上。多くの機能がある器官だが、消化液である胆汁を作り出す消化腺で、胆嚢十二指腸と管でつながっているため、ふつう消化器系に含める。単にともいう。レバー

言語表記発音、読み方
日本語医学肝臓かんぞう
かん
一般レバー
英語liverヴァー
ラテン語heparへパール
ラテン語・英語形容hepato-へパト-

肝臓の場所と構造

 肝臓は、腹腔内では最も上部、体の右側半分を占め、横隔膜を下から押し上げている。形の上で、右葉左葉尾状葉方形葉という4つの部分に分けることができる。尾状葉と方形葉はごく小さい。

 下面のほとんどと上面の多くは腹膜漿膜)に覆われている。上部の後部では腹膜がなく横隔膜に直接くっついている部分があり、ここを無漿膜野という。上面の中央部には体の前後方向に肝鎌状間膜があり、腹膜がここで折り返されるが、ここが肝臓の右葉左葉との境界となっている。

 下面には中央部に胆嚢がくっついている。その近くには肝臓に出入りする3つの管、肝動脈固有肝動脈)、門脈肝門脈)、胆管肝管)が集まって接続されている。ここを肝門部という。肝門部とへそ(の内側)をつなぐひも状の組織があり、肝円索という。これは胎児臍静脈の名残りである。肝門部の前後にごく小さい部分が出っ張っており、尾状葉方形葉という。

 後面には、肝臓に半分めり込むように下大静脈が上下に走る。肝臓からでる血液はごく短い肝静脈を通ってこの下大静脈に流れ込む。

肝臓の内部

 肝臓の内部には、肝小葉という小さな六角柱のような形の繰り返し構造が詰まっている。肝小葉の周囲の角々には肝門部から入った肝動脈門脈の枝が走る。これらは合流したのち、肝小葉内に入り、よく発達した太い特殊な毛細血管肝類洞)を通ったあと、肝小葉の中央部を走る中心静脈に流れ込む。中心静脈が合流して肝静脈になり、肝臓をでる。肝臓の主要な機能を担う肝細胞は、肝類洞に沿って配列していて、肝臓を流れる血液と接するようになっている。

カテゴリー: 消化器系 | 肝臓 | 腹部 | 器官

 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
 どのページにでも自由にリンクしてください。でも、このサイトの文を他の場所に転載(コピー・ペースト)しないでください(コピーした内容に間違いがあったとき、その間違いはその後このサイト上では誰かに修正されるかもしれませんが、あなたがコピーした先では間違ったまま残ってしまいます)。