臍ヒダ のバックアップ差分(No.2)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

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#author("2019-07-29T14:39:29+09:00","","")
前腹壁の内面を覆う壁側腹膜には、臍より下方で3種の腹膜ヒダ(正中・内側・外側臍ヒダ)がみられる。
#author("2020-01-30T10:40:19+09:00","","")
 ''臍ヒダ''(さいヒダ、または''𦜝ヒダ''、 umbilical folds)とは、前[[腹壁]]の内面、つまりおなかの[[内臓]]を囲む壁、[[腹筋]]の裏側にあたる部分に見られる、すじ状の盛り上がり([[ヒダ]])のことで、その端が[[臍]](𦜝)まで続いているのでこう呼ばれる。正中臍ヒダ、内側臍ヒダ、外側臍ヒダの3種類があり、どれも臍付近から下方にのびている。

 [[前腹壁]]の内面の表面は、[[腹膜]](壁側腹膜)でおおわれているが、臍ヒダのところの腹膜はすじ状に盛り上がっている(腹膜ヒダ)。これは、その腹膜の下に何かひも状のものが通っているためである。3つの臍ヒダ(正中臍ヒダ、内側臍ヒダ、外側臍ヒダ)では、そのヒダの下に通っているものはみな違う。
:正中臍ヒダ |  [[正中]]にあり、[[臍]]から真下に向かってのびて、[[膀胱]]につながっている[[ヒダ]]。この正中臍ヒダの中には[[正中臍索]]というひも状(索状)組織が通る。正中臍索とは、[[胎児]]の頃には[[尿膜管]]という管だった構造でこれが出生後に退化した。尿膜管は膀胱と臍をつなぎ、胎児の[[尿]]を体外の[[尿膜]]へと流す管。
:内側臍ヒダ |  正中臍ヒダの両側に1対あり、臍と[[膀胱]]の左右をつなぐように走る。このヒダの中には、[[臍動脈索]]がある。臍動脈索は[[胎児]]の頃には[[臍動脈]]だったのが出生後にひも状組織として残ったもの。臍動脈は臍から[[臍帯]]を通る血管で、[[内腸骨動脈]]と[[胎盤]]をつなぐ。
:外側臍ヒダ |  もっとも外側に1対あり、臍と[[鼠径部]]をつなぐように走るヒダ。内部には[[下腹壁動脈]]と[[下腹壁静脈]]が走っている。外側臍ヒダは臍付近を通るが、厳密には[[臍]]にはつながっていない。下腹壁動脈は[[外腸骨動脈]]から分かれて上に向かい、臍の左右付近で[[上腹壁動脈]]とつながる。


 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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