血管 のバックアップ(No.2)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 血管とは、体内で血液が流れる管のこと。構造の特徴や心臓とのつながり方から、動脈静脈毛細血管にわけられる。

言語表記発音、読み方
日本語医学血管けっかん
英語blood vesselラッド・ヴェッセル

 心臓から押し出された血液が最初に通る血管が動脈で、動脈は枝分かれをしながら、より細い動脈へとつながり、体の各部へと向かう。体の各組織では細い動脈が毛細血管へとつながる。毛細血管は、血液中の酸素や栄養分を組織に渡す場所で、その後、毛細血管は再び合流し、静脈となり、血液は心臓へと戻る。

 動脈は、心臓から送り出される血液の圧力(血圧)に耐えられるよう、弾力性に富んだ丈夫な壁からできている。静脈の壁はぞれよりもずっと薄い。毛細血管では壁を通して物質交換がしやすいように、うすくて物質の通り抜けやすい壁からできている。

血管の構造

 血管の壁の構造は、動脈と静脈でかなり共通。また、リンパ管の構造も静脈に類似している。ただし、毛細血管と毛細血管と動脈や静脈がつながる細い部分では異なっている。

 壁は、3層構造をしており、内側から内膜中膜外膜と呼ばれる。内膜はごく薄い層で、血管の一番内側で内腔との境界を作っている、内皮細胞(=血管内皮細胞)という1層の細胞層がある。中膜は、動脈では非常に厚い層で、動脈の弾力性を作り出している層。これは中膜に弾性線維がびっしりと走っているから。また。この層には平滑筋細胞も多い。平滑筋細胞は自律神経(とくに交感神経)の調節を受けて収縮して、血管の太さを変えることができる。一番外側の外膜は動脈でも静脈でもある程度厚い層でコラーゲン線維が多く血管の壁の強度を作っている。

 さらに詳しい構造は、動脈静脈リンパ管毛細血管内皮細胞内膜中膜外膜などへ。

血管に関するキーワード

終動脈 - 側副循環路(側副路) - 動脈網 - 怪網 - 伴行静脈 - 皮静脈 - 深在性静脈 - 門脈 - 筋ポンプ - 静脈弁

カテゴリー: 循環器系 | 一般構造 | 心血管系 | 血管

 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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