重炭酸イオン のバックアップ差分(No.1)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

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#author("2020-08-01T13:22:40+09:00","","")
 ''重炭酸イオン''とは、または、''炭酸水素イオン''とは、[[体液]]に特にたくさん含まれている陰イオン。pH を調節し安定させる緩衝液として重要。化学式は HCO&subsc{3};&super{-}; 。

 [[体液]]([[血液]]、[[組織液]]などの[[細胞外液]])には、[[細胞]]の[[呼吸]]によってつくられた二酸化炭素 CO&subsc{2}; がたくさん溶けていて、そのうちの一部は炭酸 H&subsc{2};CO&subsc{3}; に変化している。炭酸が液中でイオンに電離し、重炭酸イオン HCO&subsc{3};&super{-};、炭酸イオン CO&subsc{3};&super{2-}; にもなり、これらの量のバランスで体液の pH が調節されている。大部分は重炭酸イオンで、炭酸イオンは量が少ない。

 体液では、炭酸 H&subsc{2};CO&subsc{3}; は一部が水素イオン H&super{+}; と重炭酸イオン HCO&subsc{3};&super{-}; に分かれて、水素イオン  H&super{+};  を増やすので 弱酸、重炭酸イオン HCO&subsc{3};&super{-}; は、水素イオン  H&super{+};  と結合して炭酸 H&subsc{2};CO&subsc{3}; になり、液中の水素イオン  H&super{+};  を減らすので弱アルカリである。

 また、[[十二指腸腺]]の分泌物や[[膵臓]]から分泌される[[膵液]]にたくさん含まれていて、弱アルカリ性になっている。[[胃]]の消化物は[[胃液]]に含まれる塩酸 HCl の影響で強い酸性になっているので、これらの液体に含まれる重炭酸イオン HCO&subsc{3};&super{-}; で中和されて中性に近づく。

 一方、細胞内で液体の pH を安定化させるはたらきに重要なのは リン酸 H&subsc{3};PO&subsc{4}; の陰イオン(リン酸二水素イオン H&subsc{2};PO&subsc{4};&super{-};、リン酸一水素イオン HPO&subsc{4};&super{2-}; )である。


 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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