骨組織 のバックアップの現在との差分(No.1)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

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[[骨]]
 ''骨組織''とは、[[骨]]をつくっている[[組織]]のこと。主に[[コラーゲン細線維]]や、[[アパタイト]]類(リン酸カルシウムなどを含む)などの[[無機質]]をたくさん含んだ[[細胞外基質]]からできていて、これを[[骨基質]]という。骨基質のなかに[[骨細胞]]がぽつぽつ埋まっていて、これを合わせて骨組織。[[線維]]と無機質があるために、硬くてしかも弾力性があり、これが骨の性質を作り出している。無機質が沈着して硬い組織は[[硬組織]]という。骨組織は、[[結合組織]]、[[支持組織]]などに分類される。

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|[[骨組織]]|こつそしき|
|>|英語|osseus tissue |''オ''スィアス・''ティ''シュー|
|~|~|bone tissue |''ボ''ーン・''ティ''シュー|

 [[骨]]のなかで、骨の表面付近にある、硬い骨組織がみっしり詰まっている場所は[[緻密骨]](緻密質、皮質骨)といい、骨の内部にある、硬い骨組織がスポンジ状に穴だらけになっている場所を[[海綿骨]](海綿質)という。海綿骨の部分で骨組織のすき間に入り込んでいるのは、骨の内側にある[[骨髄]]の組織である(骨髄は[[血球]]をつくる場所)。骨の一番表面には、骨を外から包んでいる[[コラーゲン線維]]の層である[[骨膜]]がある。

 [[骨基質]]は、[[骨]]の[[細胞]]が作り出して、細胞のまわりに[[分泌]]して蓄積されていく。これによって骨が大きくなっていく。できあがった骨の中に埋まり込んでいる[[骨細胞]]は、このようにして自分のまわりに骨基質を分泌した細胞。これから骨基質を分泌して、骨を成長させる細胞はこの骨細胞ではなく、骨の表面の[[骨膜]]との間などにたくさん並んでいる[[骨芽細胞]]。また、骨組織には、骨を壊す細胞である[[破骨細胞]]もいる。破骨細胞は骨基質をとかして、骨の中に貯えられた[[カルシウム]]などを[[血液]]中に放出するはたらきがあるので、血液中のカルシウム濃度の調節に重要。

 骨の中の方には、酸素や栄養がしみこんではいかないので、骨の中には[[血管]]がたくさん通っている。[[骨細胞]]は血管に向かって突起を伸ばしていて、血管を中心に同心円状にならぶ。血管を中心とした骨組織の同心円を[[骨単位]]または[[ハバース系]]という。

 子どもの[[骨基質]]は、[[コラーゲン]]が多く、まだ無機質の沈着が少ないので、弾力性は高いがそれほど硬くない。一方、年をとるに連れてコラーゲン線維が減り、無機質の沈着が増えるので、硬くはなっていくが、弾力性が失われてもろくなる。

> カテゴリー: [[組織分類>category/組織分類]] | [[結合組織>category/結合組織]] | [[運動器系>category/運動器系]] | [[骨格系>category/骨格系]] | [[骨>category/骨]]

 
 

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