拮抗筋

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 拮抗筋とは、その筋肉が引き起こす運動をもとにして説明する言い方のひとつで、ある1つの運動を考えたときに、その運動を起こす筋を主動筋(主働筋、主動作筋)といい、その筋とは逆の運動を起こす筋を拮抗筋という。この2つの筋は、反対方向の運動に働き、作用を相殺しあうので、互いが拮抗筋の関係である、という言い方もする。

言語表記発音、読み方
日本語医学拮抗筋きっこうきん
英語antagonist *アンゴニスト
* antagonist は一般には競争相手や敵対者の意味で、医学分野では、ある物質(生体内物質や薬剤など)の作用を打ち消す薬剤(=拮抗薬)としても使う

 たとえば、「肘を曲げる」運動を考えるとき、その主動筋肘関節屈曲させる上腕二頭筋などで、拮抗筋は肘関節を伸展させる上腕三頭筋である。「肘を伸ばす」を考えるとき、主動筋は上腕三頭筋で、拮抗筋は上腕二頭筋である。上腕二頭筋と上腕三頭筋は拮抗筋の関係になっている。

カテゴリー: 運動器系 | 筋系 |

 
 

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