舌
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
舌とは、口の中(口腔)の下側(口腔底)にある、主に横紋筋でできた突起の器官。役割は、食べものを噛んだり(咀嚼)、口からのど(咽頭)に送ったりするときの補助や、言葉をしゃべるときにいろいろな音を出す(構音)ことなどいろいろ。また、舌の表面には味を感じる感覚装置(味蕾)もあるので、感覚器でもある。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 舌 | ぜつ、した* |
英語 | tongue | タング | |
ラテン語 | lingua | リングア | |
ギリシャ語 | grossa | グロッサ |
* 解剖学では「ぜつ」と読むことが多い |
舌の筋は随意筋なので、意識的に動かせる。舌の筋をまとめて舌筋という。舌筋は、2通りに分けることができる。舌骨や下顎骨などと舌をつなぎ、舌の位置を変える筋(外舌筋)と、舌の内部だけで走り、舌の形を変えるのに働く筋(内舌筋)。これらの筋は、脳神経のひとつである舌下神経(第XII脳神経)によって支配されている。
表面は、口腔の上皮と同じ重層扁平上皮でおおわれているが、舌の上面(舌背)を中心に、舌乳頭という細かな凹凸が発達し、一部の舌乳頭には味覚を感じとる味蕾(みらい)という装置がついている。感覚器でもある。