血液空気関門 の変更点

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

#author("2021-08-12T14:20:51+09:00","","")
 ''血液空気関門''とは、または''肺胞毛細血管関門''とは、[[肺]]で[[酸素]]と[[二酸化炭素]]の[[ガス交換]]が行われる部分にある構造のことで、[[肺胞]]の空気と肺胞のすぐ外を通る[[毛細血管]]を隔てる3層構造のこと。構造としては、肺胞の[[1型上皮細胞]]と毛細血管の[[内皮細胞]]とその間にある[[基底膜]]がつくっている。どれも非常に薄っぺらい構造で、酸素分子や二酸化炭素分子はここを濃度勾配による拡散のはたらきで通過する。

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|[[血液空気関門]] |けつえき-くうき-かんもん |
|~|~|[[肺胞毛細血管関門]] |はいほう-もうさいけっかん-かんもん |
|>|英語|blood-air barrier |ブ''ラ''ッド-エア・''バ''リア |
|~|~|alveolo-capillary barrier |アル''ヴィ''オロ-''キャ''ピラリー・''バ''リア |

 [[肺]]で[[呼吸]]が行われるとき、[[肺胞]]の中の[[空気]]と[[毛細血管]]の中の[[血漿]]との間で[[ガス交換]]が行われる。ガス交換は、物質の濃度が高いほうから低い方に移動する拡散の力によって起こる。酸素(O&subsc{2};)は空気中には多く、肺に血液中には少ない(肺には[[静脈血]]が届く)ので、空気中から血液中に移動する。それとは逆に、二酸化炭素(CO&subsc{2};)は血液中に多く含まれ空気中には少ないので、血液中から空気中へと移動する。肺胞の空気と毛細血管内の血液を隔てる3層の構造は、非常に薄いのでこれらの拡散は血液が毛細血管をゆっくりと流れる短い時間にも効率よく起こる。

 [[肺胞]]の上皮細胞や[[毛細血管]]の[[内皮細胞]]には[[細胞膜]]がある。[[細胞膜]]は疎水性の[[脂質]]でできているので、極性の高い水分子やイオンなどは通りにくいが、極性のない酸素分子や二酸化炭素分子は通りやすい。



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