瞳孔散大筋
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
瞳孔散大筋とは、暗いところで眼球の瞳孔(虹彩に囲まれた穴の部分)を広げ、眼球の中に入る光の量を増やし、ものがより明るく見えるのを助ける働きのある筋。瞳孔の周囲の虹彩にある。平滑筋で、自律神経の交感神経の支配を受ける。拮抗筋は瞳孔括約筋。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 瞳孔散大筋 | どうこうさんだいきん |
英語 | dilator pupillae (muscle) | ディレイター・ピューピリ―(・マッスル) | |
dilator muscle of pupil | ディレイター・マッスル・オブ・ピューピル | ||
ラテン語 | musculus dilator pupillae m. dilator pupillae | ムスクルス・ディラトール・プピラエ |
虹彩の後縁(眼球の奥側の表面)には虹彩上皮があるが、瞳孔散大筋は、これにぴったり沿うように薄く伸び広がっている。瞳孔散大筋の筋線維は瞳孔の中心から周囲に向かうように、虹彩の中で放射状に配列している。瞳孔散大筋が収縮すると、虹彩が瞳孔散大筋によって外側(眼球の周囲の方向)に引っ張る形になり、瞳孔が大きくなる。
瞳孔散大筋は平滑筋で、交感神経によって調節される。今見ているものが暗すぎて見にくいとき、自律神経により瞳孔散大筋が収縮し、瞳孔を通って眼球内に入る光の量を増やす。これは暗い時に起こるので、暗いときに瞳孔は開く。