房室弁 のバックアップソース(No.1)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
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''房室弁''(ぼうしつべん)とは、[[心臓]]内にある[[弁]](逆流防止の開閉する仕切り)で、[[心房]]と[[心室]]の間にあるもののこと。心房が収縮して[[血液]]が心室に送られるときは開き、心室が収縮して血液が[[動脈]]に送られるときには閉じることで血液が心房に逆流するのを防ぐ。[[右心房]]と[[右心室]]の間の[[右房室弁]]と、[[左心房]]と[[左心室]]の間の[[左房室弁]]がある。この2つの構造は似ているが、弁のパタパタ動く部分の枚数が右房室弁では3枚、左房室弁では2枚であることが違っている。右房室弁の別名は[[三尖弁]]、左房室弁の別名は[[僧帽弁]](または二尖弁)。 ** 房室弁の構造 [#mad26f9e] 房室弁は、ヨットの帆のような形をした弁で、[[弁尖]](帆の布の部分)、[[腱索]](帆を支えるヒモ)、[[乳頭筋]](ヒモと船体をつなぐ部分)などからできている。弁尖とは、2枚または3枚の膜状に飛び出した、パタパタ動く部分(=弁尖)のことで、[[心房]]と[[心室]]の間はこの弁尖でふさがれる。腱索は弁尖の先端部と心室内に飛び出した筋である乳頭筋とをつなぐひもで、弁尖は心室側か支えられている。このため、弁尖は心房側から押されると心室側には倒れることができるが、心室の側から押されても腱索がささえになって心房の側には倒れない。 [[心臓]]内には[[心室]]と[[動脈]]の間にも[[弁]]があるが、こちらの弁は房室弁とは構造が全く違っていて、むしろ[[静脈弁]]に似ている。