卵円孔 のバックアップソース(No.1)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
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''卵円孔''とは、卵形をした穴の意味。「孔」は深いくぼみや、反対側とつながった穴のこと。卵円孔という名前のつけられた穴は、からだの中では、[[頭蓋骨]]や[[胎児]]の[[心臓]]にある。 * 頭蓋骨の卵円孔 [#e52332c5] [[頭蓋骨]]の''卵円孔''は、[[頭蓋]]の内外をつなぐ穴で、頭蓋骨のひとつの[[蝶形骨]]にある。[[下顎神経]](第5脳神経である[[三叉神経]]の第3枝)が通る穴。卵円孔がある場所は、頭蓋の内面では、[[脳]]に面した頭蓋の底面([[内頭蓋底]])にある[[中頭蓋窩]]というくぼみのなか。頭蓋の外面では蝶形骨の下面にこの穴があるが、その場所は[[下顎骨]]の[[下顎枝]]の内側の空間([[側頭下窩]]という)で、すぐ近くには[[咀嚼筋]]群がある。咀嚼筋は下顎神経支配。 * 心臓の卵円孔 [#l5ba5799] [[心臓]]の''卵円孔''は、[[胎児]]の[[心臓]]にだけある穴で、[[右心房]]と[[左心房]]の間の[[心房中隔]]に開いている穴。[[血液]]は右心房から左心房へと流れる。その役割は、[[動脈管]](ボタロー管)とともに、全身から右心房に戻ってきた血液を[[肺]]に送らず、ふたたび全身に送るための短絡路(近道)としてはたらく。生後この穴はふさがり、[[卵円窩]]という浅いくぼみとして残る。