関節 のバックアップソース(No.1)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 
> [[滑膜性連結]]でこの項目を参照しています

 ''関節''とは、体の中で2つ以上の[[骨]]どうしが連結している箇所のうち、骨と骨の結合部が可動式になっていて、骨どうしがお互いに動いて結合の角度が変わるようになっているもののこと。

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|[[関節]]|かんせつ|
|~|~|[[滑膜性連結]]|かつまくせいれんけつ|
|>|英語|joint|''ジョ''イント|
|~|~|articulation (*1)|アーティキュ''レ''イション|
> *1 articulation は[[構音]]の意味でも使う

 骨の結合のしかたには大きく分けて2種類ある。
+ 2つの骨ががっちりと結合していて、全体としてひとつの骨のようになっているもの。まったく動かないか、動けるとしても動きのあまり大きくない結合方式([[不動結合]])
++ 骨どうしが直接結合していて、実際にひとつの骨になっていく過程のもの([[骨性連結]])
++ 2つの骨の間に[[コラーゲン線維]]などの結合組織がはさまっているので別々の骨のままだが、動くことができず、機能的には1つの骨のようになっているもの([[線維性連結]])
++ 2つの骨の間に[[軟骨]]があり、2つの骨どうしは間にある軟骨の柔軟性の範囲で少し動くことができるもの([[軟骨性連結]])
+ 骨と骨の結合部に、骨どうしがすべって動くための仕組み([[滑膜]]など)がはさまっているため、非常に大きく動ける結合方式(可動結合、''滑膜性連結'')

 ふつうはこのうちの最後の滑膜性連結を、関節と呼ぶ。ただし、関節をもっと広い意味で、上のすべての骨の結合方式を含むように使うこともある。

* 関節の構造 [#s5e24aa8]
 関節で、骨どうしがくっつく面を、[[関節面]]とよぶ。関節をつくっている骨どうし、あるいは骨と[[軟骨]]などは、[[靱帯]]と呼ばれる、帯状(リボン状)やヒモ状の丈夫な[[結合組織]]に支えられていて、離れないように結合している。

 関節が動く力は、骨についている筋肉が収縮して骨を引っ張ることでおこなわれ、関節はその運動の支点になるため、非常に力がかかる。関節にかかるショックを吸収し、関節の動きがスムーズになるような仕組みが発達している。たとえば、関節面は薄い軟骨で覆われて関節にかかる衝撃を吸収する。また、それぞれの関節面の間に挟まるように結合組織性の[[滑膜]]が袋をつくっており、中には滑液が保持されて、関節面どうしが直接こすらないようになっている。

 骨どうしが作る関節面の形によって、関節でどのような運動が起こるかが決まる。関節は、関節面の形と関節の運動によっていくつかに分類されている。

 代表的なのは、[[球関節]]で、これはひとつの骨が球上の丸い形、、もうひとつの骨がそれをすっぽりとはめることができる浅いお椀のような形をしている。もっともいろいろな方向に動かすことができる関節で、[[肩関節]]や[[股関節]]などがこれ。

 別の例は、[[肘関節]]などの[[蝶番関節]]。ドアの蝶番のように一方向にしか動かないように関節を囲む骨によって動きが制限されているもの。


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