シナプス の変更点

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

#author("2020-06-30T19:11:01+09:00","","")
 ''シナプス''とは、2つの[[神経細胞]]([[ニューロン]])どうしの接点のこと。神経細胞の[[興奮]]が次の神経細胞へと伝わるときに、シナプスから伝わる。1コのシナプスの大きさは十数[[マイクロメートル]]以下とごく小さく、1コのニューロンの表面には、多数のニューロンとの間でたくさんのシナプスが作られている。

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|>|シナプス|
|>|英語|synapse|''スィ''ナプス|

 シナプスは、狭い意味では[[ニューロン]]どうしがつながる場所だが、広い意味では、ニューロンと[[骨格筋]]の[[筋線維]](筋細胞)がつながる場所である[[神経筋接合部]]または[[運動終板]]も、シナプスに含める。一方、[[心臓]]の[[心筋]]、[[内臓]]などにある[[平滑筋]]は、ニューロンとの間でシナプスのような接点をつくらず、筋線維と神経終末が少し離れている。

 [[神経系]]の中を興奮が伝わるとき、1つの[[ニューロン]]内を伝わるときは電気的な変化([[活動電位]]など)として伝わるが、次の[[神経細胞]]へと伝わる際は、シナプスでの化学物質の放出が伝える。シナプスでは、2つの神経細胞の[[細部膜]]はくっついてはいないが、非常に近づいている([[シナプス間隙]]という)。シナプスを神経細胞の興奮が伝わるとき、興奮を伝える側の細胞から、化学物質([[神経伝達物質]])が放出され、興奮を伝えられる(受ける)側の細胞膜に届く。シナプスの中で、興奮が伝わる上流側の細胞膜を[[シナプス前膜]]、興奮を受けとる下流側の細胞膜を[[シナプス後膜]]という。また、1つのシナプスをつくる2つの細胞を、[[シナプス前細胞]]([[シナプス前ニューロン]])、[[シナプス後細胞]]([[シナプス後ニューロン]])という言い方をすることもある。

 シナプスで情報伝達に使われる[[神経伝達物質]]には、[[アセチルコリン]]、[[アドレナリン]](エピネフリン)、[[ノルアドレナリン]](ノルエピネフリン)、[[ドーパミン]](ドパミン)、[[セロトニン]](5-HT)、[[ガンマアミノ酪酸]](GABA)、[[グルタミン酸]]などたくさんの種類があるが、[[ニューロン]]ごとにどの神経伝達物質が作られて、シナプスのシナプス前膜から放出されるかが決まっていて、シナプス後膜にはその物質に対する[[受容体]](レセプター)[[タンパク質]]が存在している。神経伝達物質が受容体に結合すると、次の神経細胞で興奮が起こる。

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<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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