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横隔膜

　横隔膜とは、胸（胸腔）とおなか（腹腔）の境目を作る膜状の筋肉。ぺらぺらの膜ではなくて、ちゃんと厚みのある筋肉の層である。骨格筋で、自分の意思で収縮させることができる随意筋である。

図：横隔膜（前から見たところ） *1 横隔膜（赤　　）は肋骨、胸骨、脊椎などから起こり、胸腔と腹腔を隔てている。上向きに盛り上がっている。肋骨、胸骨は半透明で表している

　横隔膜のすぐ上側（胸腔の側）には、心臓や肺があり、横隔膜のすぐ下側（腹腔の側）には、肝臓や胃などがある。

図：横隔膜と横隔膜に接する内臓（前から見たところ） *2 横隔膜（赤　　）の上には肺（紫　　）と心臓（水色　　）が乗っている。横隔膜の下には肝臓（オレンジ　　）、胃（緑　　）、脾臓などがあって、横隔膜を押し上げている

　横隔膜は、胸とおなかを仕切っているので、胸とおなかを貫通する内臓は、横隔膜を貫通している。横隔膜には、このための3つの穴が開いている。3つの穴とは、大動脈が通る大動脈裂孔、下大静脈が通る大静脈孔、食道が通る食道裂孔である。

図：横隔膜（下ななめ前から見上げたところ） *3 横隔膜（赤　　）を下から見ると、中央寄りに穴が2つ、中央の後壁に切れ目が1つある。穴は前が大静脈孔、後ろが食道裂孔、後壁にある切れ目は大動脈裂孔である

横隔膜の機能 †

　横隔膜が収縮すると、横隔膜は、腹腔の側（下側）に押し下げられるので、胸腔を広げ、腹腔を狭めるはたらきがある。

• 呼吸で息を吸うときには、肋骨の間にある外肋間筋とともに横隔膜が収縮することで、肺が外側に引っ張られるように広げられて、肺が膨む。特に腹式呼吸では横隔膜が大きな役割を果たす。
• 排便のときにおなかに力を入れるときにも収縮し、おなかの壁の筋肉（腹筋）とともに、便を腸から肛門へと押し出すのにも働く。
• 横隔膜がけいれん的に収縮するのがしゃっくりである。

横隔膜の神経支配 †

　横隔膜の運動を支配している神経は、横隔神経である。横隔神経は、首の部分の脊髄（頚髄）から出る頚神経のうち、主に第3～4頚神経が集まって作る神経で、首の左右から、左右の肺の間（縦隔）を通って、横隔膜にたどり着く。

食肉の部位としては †

　ハラミ、サガリと呼ばれる。

カテゴリー: 運動器系 | 筋系 | 筋 | 胸部 | 腹部 | 呼吸器系

Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本

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