下肢
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
下肢とは、一般に使う言葉で言う「あし」全体のこと。「あしのつけね」の周辺と、その先の全体をさす言葉。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 下肢 | かし |
自由下肢* | じゆうかし | ||
一般 | 脚** | あし、きゃく | |
肢** | あし、し | ||
動物 | 後肢*** | こうし | |
英語 | lower limb | ロワー・リム | |
leg† | レッグ | ||
free part of lower limb‡ | フリー・パート・オブ・ロワー・リム |
* | 股関節から先の自由に動く部分だけをさすときに使う言葉。股関節よりも胴体(体幹)側の部分には、下肢を支える骨が下肢帯をつくっている。広い意味での下肢はそっちも含む |
** | 解剖学では、下肢の意味で「あし」といわないほうがよい。足(あし)といえば、足首から先の部分だけのことを指す |
*** | 動物の上肢、下肢は、前肢、後肢という。ヒトでは前肢、後肢は使わない |
† | leg は下腿を指すこともある |
‡ | 「自由下肢」に対応する英語 |
狭い意味での下肢は、胴体(体幹)から飛び出している部分を指す。この部分を自由下肢ともいう。
下肢を広い意味で使うときは、これに殿部(おしり)や骨盤の部分も含める。下肢の運動を考えるとき、それらの骨や筋が下肢を支えて、一体となって運動するからである。このときは、殿部を含めない狭い意味の下肢を、自由下肢と呼んで区別する。股関節よりも胴体(体幹)側の部分を下肢帯という。
つまり、下肢といったら、
- 下肢 = 自由下肢 + 下肢帯 の意味で厳密に使っているか
- 下肢 → 自由下肢 の意味で、便宜的に使っているか
の2つの場合がある。