神経線維 の変更点

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

#author("2020-07-10T12:10:08+09:00","","")
> 関連する内容が[[神経線維]]の項目にあります

 ''神経線維''とは、または''神経繊維''とは、''神経突起''とも呼ばれ、[[神経細胞]]の一部が細長く伸びた部分のこと。[[神経系]]で離れたところに情報が伝わるときには、神経線維によって伝えられる。

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|[[神経線維]] &br; 神経繊維 * |しんけいせんい|
|~|~|[[神経突起]]|しんけいとっき|
|>|英語|nerve fiber|''ナ''ーヴ・''ファ''イバー|

| * |  線維と繊維の使い分けは、[[線維]]、[[異体字]]の項目を参照 |f

 神経細胞のうち、細胞の本体の部分のことを[[神経細胞体]](細胞体)という。神経細胞は、神経線維と神経細胞体からできているといえる。神経線維の長さは、短いものから長いものまでさまざまだが、体の中で一番長い神経線維は、[[脊髄]]から出て、[[足]]の先まで1 [[m>メートル]] 以上もある。ただし、その太さはもっとも太いものでも10 µm を超えるぐらい。細いものは1µm よりもずっと細い。つまり、[[肉眼]]ではとても見えない。体の中に走っていて、肉眼で見えるいわゆる「神経」とは、この神経線維がたくさん束になったものである。正式には、[[神経線維束]]と呼ばれる。

 神経線維は、たいていの場合、[[軸索]]と同じ意味で使われる。これと似て神経細胞体から飛び出している部分で[[樹状突起]]があるが、こちらは普通は神経線維には含めない。

 神経線維の興奮伝導は、その表面が細胞膜の脱分極によって電気を帯び、これが伝わっていくものなので、周囲の神経線維と直接くっつかないように、スペーサーをはさんで絶縁されている。スペーサーとしてはまり込んでいる細胞は、末梢神経系では[[シュワン細胞]]、中枢神経系では[[希突起グリア細胞]]という細胞。場合によって、これらの細胞が神経線維の周囲を何重にもとりまくこともある。断面はバウムクーヘンのようになる。これを[[ミエリン鞘]](髄鞘)という。バウムクーヘンのようにミエリン鞘で囲まれている神経線維を[[有髄神経線維]]、そうでない神経線維を[[無髄神経線維]]という。有髄神経線維は、[[跳躍伝導]]の仕組みにより、無髄神経線維に比べて、神経の興奮の伝導スピードは圧倒的に速い(100倍程度以上)。

> カテゴリー: [[神経系>category/神経系]] | [[細胞内構造>category/細胞内構造]] | [[神経組織>category/神経組織]]
 
 

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