関節円板
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
関節円板とは、顎関節、胸鎖関節、橈骨手根関節など、ごく一部の関節だけにある構造で、関節をつくる2つの骨の間をへだてる厚い線維性の膜のこと。主として軟骨の一種である線維軟骨でできている。関節円板のない関節では、2つの骨が互いに接して関節面を作っているが、関節円板があると、2つの骨の間に関節円板があるので骨が直接は接しない。関節の運動に伴って、関節円板が少しつづずれることで、広い角度で2つの骨がよりぴったりフィットし運動がスムーズになる作用と、関節の運動の範囲が広がる作用がある。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 関節円板 | かんせつえんばん |
英語 | articular disk/disc | アーティキュラー・ディスク | |
ラテン語 | discus articularis | (英語読み)ディスカス・アーティキュラリス (ラテン語読み) ディスクス・アルティクラリス |
関節を作る2つの骨の間にはさまっている厚い膜が関節円板。関節は関節包に覆われているが、関節円板の周囲は関節包につながっている。関節包に囲まれた内部は関節腔と呼ばれるが、関節円板がある関節では、関節円板によって関節腔が2つに分けられる。
関節をつくる2つの骨がぴったりフィットするための構造には、関節円板と同じように線維軟骨でできている、関節半月(半月板)もある。関節円板が2つの骨を完全に隔てているのに対し、関節半月では関節周囲部だけにあり、関節面の中央部では2つの骨が接する場所もある。関節半月は膝関節などにある。