脊柱
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
関連する内容は、椎骨の項目にもあります
脊柱とは、または、脊椎とは、背骨の全体のこと。背中の左右の中心(=正中)を、頭蓋の下の頚部から、おしりまでつながっている。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 脊柱* | せきちゅう |
脊椎* | せきつい | ||
一般 | 背骨 | せぼね | |
英語 | vertebral column | ヴァーテブラル・カラム | |
spinal column | スパイナル・カラム | ||
vertebrae** | ヴァーテブリー、ヴァーテブライ | ||
spine*** | スパイン | ||
一般 | backbone† | バックボウン | |
ラテン語 | columuna vertebralis | コルムナ・ウェルテブラリス |
* 脊 (セキ)は、背中の「背」(せ、ハイ)とは別の字で、「トゲトゲしたもの」の意味。1個1個の椎骨がでっぱり(突起)が多くトゲトゲした形をしているから ** vertebrae は、vertebra ヴァーテブラ(椎骨)の複数形で、脊柱全体を指す言い方 *** spine はトゲの意味。ちょっとくだけた言い方 † 「背骨」に相当する言い方 |
脊柱は、1本の長い骨ではなく、ダルマ落としのコマのような小さな骨(椎骨)がたくさん(20個以上)積み重なり、連なってできている。1個1個の椎骨の間にはぶあつい椎間円板(椎間板)という軟骨がはさまれていて、そこで関節をつくって積み重なっている。体重を支えて姿勢を維持し、また体を曲げたり回したりひねったりするときには、その運動の軸となる。
図:脊柱(左斜め前から見たところ) *1 脊柱(赤 )は、椎骨(1つ1つの赤い部分)と腰の部分では仙骨が縦に連なってできる。それぞれの椎骨をつなぐのは椎間円板(=椎間板)(黄色 )である |
図:脊柱(左斜め後ろから見たところ) *2 脊柱(赤 )は、全体として緩くS字状のカーブを描いている。脊柱の上には頭蓋が乗っていて、胸部では肋骨や上肢を支える骨、腰部には骨盤がつながる。椎間円板(=椎間板)(黄色 ) |
図:脊柱の5つのパート *3 脊柱をつくる椎骨と、椎骨の間の椎間円板に色がつけられている。椎間円板は黄色 。椎骨は上から順に、頚椎(紫 )、胸椎(オレンジ )、腰椎(赤 )、仙骨(水色 )、尾骨(緑色 )が5色に表されている |
また、椎骨1個1個の形はリング状になっていて、みな穴が開いている。この穴を椎孔というが、これがたてに連なって細長い管状の空間を作っている。これを脊柱管という。脊柱管には脳とつながっている脊髄が通っている。
*1 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本
*2 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本
*3 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本