胸郭 の変更点

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 ''胸郭''とは、2つの意味で使われる。共通しているのは、[[胸]]の[[内臓]]が入っている空間(=[[胸腔]])を取り囲んで守っている壁という意味。胸の壁のなかで、
- [[骨]]([[肋骨]]など)でつくられている囲い、枠組み(=[[骨格]])のことを指す場合と、
- [[骨格]]だけでなく[[筋肉>筋]]([[肋間筋]]、[[横隔膜]]など)も含めた壁全体を意味する場合とがある。

- 胸郭によって守られている「胸腔」には、どういう[[器官]]がある?→ 「[[胸腔]]」

#contentsx



* 骨の枠組みのこと [#ia86bbdd]

|3|2|||c
|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|胸郭|きょうかく|
|>|英語|thoracic cage|ソ''ラ''シック・''ケ''イジ|

 胸腔を囲んでいる[[骨格]]のことを指す。胸郭を作っている骨は、胸の部分の背骨([[胸椎]])と、[[肋骨]]、[[胸骨]]。胸椎が体の左右の中心(正中)の背中側の端にあり、胸骨は体の左右の中心の腹側の端にある。肋骨は、体の後ろ側の真ん中(胸椎)から前側の真ん中(胸骨)までを、弧を描くようにつなげている。胸椎と肋骨は関節をつくってつながっているが、肋骨と胸骨の間には、長い[[肋軟骨]]がはさまっている。



* 骨や筋がつくっている壁全体のこと [#mb7886bd]

|3|2|6|8|c
|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|[[胸郭]]|きょうかくうい|
|日本語|医学|[[胸郭]]|きょうかく|
|~|~|[[胸壁]]* |きょうへき|
|>|英語|thorax|''ソ''ーラックス|

| * |  「胸壁」はあまり解剖学用語としてはあまり使わないかも |f

| * 「胸壁」はあまり解剖学用語としてはあまり使わないかも |f



 胸郭をつくっている骨格のすきまや、骨格の外側などには、[[筋肉>筋]]があり、胸の内臓を覆う壁をつくっている。肋骨の間をつないでいるのが[[肋間筋]]で、胸郭の下側の境界をつくっている筋が[[横隔膜]]である。

* 胸郭の運動 [#o9b67857]
 胸郭の運動は呼吸の原動力となっている。胸郭をつくっている骨と筋は積極的に動いて、胸郭全体の大きさを変えることができる。これは呼吸のために必要な動きである。胸椎から胸骨までを弧を描いてつないでいる肋骨は、上下に角度を変えるように動くことができ、肋骨がみな上のほうにずれると、胸郭内の容積が増え、肋骨が下のほうに角度をずらずと、胸郭内の容積が減る。また横隔膜は、収縮すると胸腔を下側に広げ、弛緩すると腹腔から押されるので持ち上がり、胸郭内が狭くなる働きがある。これらが、肺を膨らませたり、しぼませたりして呼吸(胸式呼吸)を起こす原動力の一つになっている。



> カテゴリー: [[骨格系>category/骨格系]] | [[運動器系>category/運動器系]] | [[胸部>category/胸部]]
 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
 どのページにでも自由にリンクしてください。でも、このサイトの文を他の場所に転載(コピー・ペースト)しないでください(コピーした内容に間違いがあったとき、その間違いはその後このサイト上では誰かに修正されるかもしれませんが、あなたがコピーした先では間違ったまま残ってしまいます)。