動静脈吻合 のバックアップソース(No.1)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 
 ''動静脈吻合''とは、[[毛細血管]]を間に挟まずに、[[動脈]]と[[静脈]]が直接つながっている構造のこと。血流量の調節などのために、もとからそういうつながりかたをする[[血管]]があることもあるし、病的変化として出てくる場合もある。

 通常の[[血管]]のつながりかたは、[[動脈]]→[[毛細血管]]→[[静脈]]である。毛細血管の壁は薄いため、[[血液]]中を運ばれてきた酸素や栄養などが血管から外に出ていったり、二酸化炭素や老廃物が血管に入ってくるのも毛細血管だけ。もし、動脈から直接静脈につながると、この機能は発揮されないので、普通は動脈と静脈が直接つながることはない。

 動静脈吻合のひとつの例は、[[皮膚]]の[[血管]]。皮膚には[[毛細血管]]を通らない動静脈吻合があり、寒いときには[[交感神経]]の作用で毛細血管にいく[[血液]]が減り、動静脈吻合を通る血液が増える。これにより、皮膚の毛細血管からからだの外に奪われる熱を減らしている。別の例は、[[陰茎]]の[[海綿体]]。海綿体には[[海綿体洞]]という[[静脈洞]](血液がたまりやすい内部の広い[[静脈]])がたくさん詰まっている。動脈から毛細血管を通って海綿体の外の静脈に流れるのとは別に、動脈から海綿体洞に流れる動静脈吻合がある。陰茎勃起のとき、[[副交感神経]]の働きで海綿体洞につながる動脈が広がり、海綿体洞に血液がたくさん流れ込む。
 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
 どのページにでも自由にリンクしてください。でも、このサイトの文を他の場所に転載(コピー・ペースト)しないでください(コピーした内容に間違いがあったとき、その間違いはその後このサイト上では誰かに修正されるかもしれませんが、あなたがコピーした先では間違ったまま残ってしまいます)。