眼窩
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
眼窩とは、眼球の入っている頭蓋骨の穴のこと。奥のほうが狭くなったくぼみになっていて、くぼみの壁も頭蓋骨でできている。内部には、眼球と眼球の向きを変える筋(外眼筋)、それらにつながる神経、血管などがあり、そのすき間は、脂肪組織などの結合組織が埋めている。顔面の側はまぶた(=眼瞼)で覆われる。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 眼窩 | がんか |
英語 | orbit | オービット | |
ラテン語 | orbita | (ラテン語読み)オルビタ (英語読み)オービタ |
顔を触ったときに、目の周りでさわることができる骨の縁が、眼窩の入口(=眼窩口)である。眼窩内部の壁を眼窩壁という。眼窩口は四角形に近い形をしていて、眼窩は奥が尖った四角すいに似た形をしている。眼窩壁は、上壁、下壁、内側壁、外側壁に分けられる。眼窩の下壁を眼窩底ともいう。
顔の部位で、眼窩のある場所を眼窩部という。
眼窩の壁を作る骨 †
眼窩をつくる骨は7つある。そのうち、眼窩口の周囲は3つの骨でできていて、上部が前頭骨、下部は内方が上顎骨で外方が頬骨。眼窩壁の最も奥のほうを作る骨は蝶形骨。他に、内側壁は涙骨や篩骨、下壁は口蓋骨もつくる。
図:眼窩の壁をつくる骨(左斜め前から見たところ) *1 頭蓋のうち、眼窩をつくる骨に色がつけてある。眼窩口をつくる3つの骨は、前頭骨(深緑色 )、上顎骨(オレンジ色 )、頬骨(青色 )。眼窩壁の最も奥の部分をつくるのは蝶形骨(ピンク色 )で、他に内側に涙骨(黄緑色 )や篩骨(黄色 )、下壁は口蓋骨(水色 )もつくる |
眼窩にある穴 †
眼窩にある主な穴には、視神経管、上眼窩裂、下眼窩裂の3つがある。視神経管と上眼窩裂は眼窩と頭蓋腔をつないでいて、下眼窩裂は眼窩と翼口蓋窩(頭蓋骨の外側にある側頭下窩の奥まったくぼみ)をつなぐ。視神経管には、視神経(第2脳神経)と眼動脈が通り、上眼窩裂には動眼神経(第3脳神経)、滑車神経(第4脳神経)、三叉神経第1枝(眼神経)(第5脳神経)、外転神経(第6脳神経)が眼窩に入るときに通る。
*1 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本