骨単位
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
オステオン、ハバース管系でこの項目を参照しています
骨単位とは、または、オステオンとは、骨をつくっている骨組織のうち、緻密骨(緻密質、皮質骨)をつくっている構成単位で、骨の内部を走る血管を中心に、骨が同心円状につくられていくバウムクーヘンのような形をした部分のこと。骨単位の中心の血管が通る穴をハバース管というので、骨単位のことをハバース管系、または ハバース系とも呼ぶ。発達した骨単位1つの直径は200 μmで、長さは1 mm以上。緻密骨全体には無数の骨単位がびっしりと詰まってできている。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 骨単位 * | こつたんい |
オステオン * | |||
ハバース管系、ハヴァース管系 ** | ハバースかんけい、ハヴァースかんけい | ||
ハバース系、ハヴァース系 ** | ハバースけい、ハヴァースけい | ||
英語 | osteon * | オスティオン | |
haversian system, Haversian system ** | ハヴァーシャン・スィステム |
緻密骨は骨の表面部分をつくる骨組織がすき間なく埋めた硬い部分。骨組織を作る細胞は骨芽細胞(のち骨細胞になる)だが、骨の奥の方の細胞には血液が届かないため、骨の内部にはたくさんの血管が入り込んでいる。骨内部を通る血管からその周囲へと酸素や栄養が渡されるため、骨細胞は血管を中心に同心円状に配列している。それぞれの細胞が自分の周囲に骨基質を分泌していくことにより、血管を中心にバウムクーヘンのようにいくつもの層がとりまく構造ができ、骨細胞はその層板の間や内部に取り残されていく。この構造全体を骨単位という。また、中心の血管の通る骨の穴をハバース管、それを取り囲むバウムクーヘン部分の層をハバース層板という。