錐体路 のバックアップソース(No.4)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
''錐体路''とは、[[中枢神経系]]にある[[神経伝導路]]([[伝導路]])のひとつで、[[筋]]の運動をおこす指令を、[[大脳皮質]]から[[脳幹]]や[[脊髄]]の決まった場所に伝える役割がある。脳幹や脊髄のその場所には、[[運動ニューロン]]の[[神経細胞体]]があり、この[[ニューロン]]の[[神経線維]]は[[中枢神経>中枢神経系]]([[脳]]や[[脊髄]])を出て、筋まで到達する。つまり、大脳皮質の指令が筋に伝わるまでの前半部をになう伝導路が錐体路である。 筋の運動を起こす刺激をつたえるので「[[運動性]]の伝導路」に含まれ、大脳皮質から脳幹、脊椎へと脳内の上方から下方に情報を伝えるので、[[下行性]]の伝導路に含まれる。 |>|~言語|~表記|~発音、読み方| |日本語|医学|錐体路|すいたいろ| |>|英語|pyramidal tract |ピラミダル・トゥラクト| |>|ラテン語|tractus pyramidalis |トゥラクトゥス・ピラミダリス| #clear 錐体路の名前は、この伝導路の主な部分が、[[延髄]]にある「[[錐体]]」という部位を通過するから。大脳皮質の[[錐体細胞]]とは別。 錐体路には、大脳皮質に神経細胞体があり、その神経線維が脳幹や脊髄まで直接とどく。1本の神経線維が長いニューロンでできている。錐体路のうち、神経線維の行き先が脊髄のものを「[[皮質脊髄路]]」、脳幹のどこかでおわるものを「[[皮質核路]]」という。皮質脊髄路は首から下の筋の運動、皮質核路は首から上の筋の運動を起こす。 | - 皮質核路の線維では、脳幹のなかで延髄よりも大脳の近くで終わるものもあるので、その場合、錐体路とは言いながら、実際には延髄の錐体を通らないこともある。 &br; - 皮質脊髄路だけを指して「錐体路」と呼ぶ使い方をすることもある |f #clear #clear > カテゴリー: [[神経系>category/神経系]] | [[中枢神経系>category/中枢神経系]] | [[神経伝導路>category/神経伝導路]] | [[頭頚部>category/頭頚部]]