外反 のバックアップの現在との差分(No.2)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

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#author("2021-06-05T10:55:13+09:00","","")
 ''外反''とは、
+ なにかが外側(そとがわ)にそりかえったり、でっぱたりすること
+(本来はそう曲がれないはずの)関節が無理に[[外側]]に曲がること
+ 足関節の運動の向きのこと=外返し
+(本来はそう曲がれないはずの)関節が無理に[[外側]]に曲がって変形していること

などの意味で使われている。どちらの意味でも、対義語は[[内反]]。
などの意味で使われている。どの意味でも、対義語は[[内反]]。



** 1. 外側にそる、曲がる、でっぱるなどの外反 [#xf0b2771]
** 1. 外側にそる、曲がる、でっぱるなど [#y0c86d65]
 この意味での外反は、広い意味で、いろいろなところで使われる。

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|外反|がいはん|
|>|英語|extorsion|イクス''ト''ーション|
 関節の通常の[[外転]]を外反と呼ぶこともあるが、次の項目との関係で紛らわしいので、必要以外は使わないほうがよい。

** 2. 足関節の回内のこと(=外返し) [#tfae233a]

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|外反|がいはん|
|~|~|外返し|そとがえし|
|>|英語|eversion|イ''ヴァ''ージョン|

** 2. 関節が無理に外側に曲がる外反 [#w5d12b09]
 ある[[関節]]から先が[[外側]](がいそく)に反るように曲がること、または曲がっている状態をいう。
 解剖学では、[[足関節]]の運動で、足底を外側に向ける運動(=主として[[回内]]、これに[[外転]]と[[背屈]]も加わる)を主に起こす[[距骨下関節]]の運動を外反と呼ぶことがあるが、次の3の意味と紛らわしいので、臨床ではこの言い方を使わず、[[外返し]]という。


** 3. 関節が無理に外側に曲がること [#kdeda614]
 ある[[関節]]から先が[[外側]](がいそく)に無理に反るように曲がっていること、またはそのように変形した状態をいう。

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|外反|がいはん|
|>|英語・ラテン語|valgus|(英語読み)''ヴァ''ルガス &br; (ラテン語読み)ウァルグス|

 外反は、その関節が本来はその方向には曲がらないようにできているときに、無理な力がかかるなどして曲がってしまうことをいう。

*** 外反母趾について [#q2f046a9]
 「外反母趾」とは、足の親指([[母趾]])が他の指の側(あるいは体の外側方向)に曲がってしまうこと。外反母趾ときの「外反」の向きは、「足の親指の外転」の向きとは逆になっているのに注意する。母趾の外転とは、親指を他の指(あるいは足の正中)から離す向き(=外転)に動かすことなので、体の内側に動かす運動を指す。

 ちなみに、ふつうの[[外転]]とは使い方の違う言葉。
- 外反は、その関節が本来はその方向には曲がらないようにできているときに、無理な力がかかるなどして曲がってしまうことをいう。
- 指の外転は、手や足の正中を基準として方向が決まっている(=指を広げる方向)が、外反は体の正中を基準として外側を考えるので、場所によっては外転と外反が反対方向になることもある。

** 外反母趾について [#q2f046a9]
 「外反母趾」とは、足の親指([[母趾]])が他の指の側(あるいは体の外側方向)に曲がってしまうことだが、「足の親指の外転」は、親指を他の指(あるいは足の正中)から離して内側に動かす運動なので動きが逆方向。



> カテゴリー: [[方向>category/方向]] | [[運動>category/運動]]

 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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