腎臓
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
腎臓とは、または腎とは、腹部に左右1対ある器官で、血液を濾過して尿の元(=原尿)をつくり、これを濃縮して尿を完成させる働きがある。ソラマメのような形をしていて、長さは 10 cm またはもうちょっと大きいぐらい。器官系では泌尿器系に含まれる。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 腎臓 | じんぞう |
腎* | じん | ||
英語 | kidney | キドゥニー | |
形容 | renal** | リーナル | |
ラテン語 | ren | レン |
* | 熟語をつくるとき、「腎○○」の形になるほかに、単独で腎臓のことを指すときにも「腎」とだけ呼ぶこともある |
** | ラテン語の ren から |
腎臓の場所、周囲との接続 †
腎臓は、おなかの中の背中側の壁(後腹壁)の結合組織に半分埋まっている後腹膜器官。左右1対の腎臓は背骨(脊柱)の両側に少し離れて並んでいる。腎臓のある高さはおおよそ一番下の肋骨のあたり。このあたりの場所には、体の右側には肝臓が張り出しているので、その分、右の腎臓のほうが左よりもちょっと下方にあることが多い。
腎臓には、腎動脈、腎静脈という太い血管がつながっていて、常に大量の血液が腎臓内を通過し続けていて、そこから尿を作り出す。腎動脈、腎静脈はそれぞれ、大動脈、大静脈(下大静脈)に直接つながっている血管で、大動脈を通ってきた血液の15%は腎臓に行くといわれる。
腎臓にはできた尿がながれていく尿管もつながっている。腎動脈、腎静脈、尿管が腎臓につながっている場所は、1か所にまとまっていて腎門と呼ばれる場所。腎門はソラマメ型の腎臓で真ん中のくぼんだあたりにある。尿管は腎臓を出た後、後腹壁を下に伝って骨盤内に入り、最終的に膀胱につながる。
腎臓の形、大きさ、血管や尿管のつながり方にはかなり個人差があるほう。
腎臓の構造 †
- 腎柱、腎錐体、腎乳頭、腎盂(腎盤)…
- ネフロン(腎単位)、腎小体、尿細管(腎細管)、近位尿細管、遠位尿細管、ヘンレ係蹄(ヘンレループ、ヘンレのわな)、集合管
- 糸球体、ボーマン嚢、ボーマン腔、尿管極、血管極、たこ足細胞(足細胞)、足突起、メサンギウム細胞
- 糸球体傍装置(傍糸球体装置)、緻密斑、糸球体傍細胞、輸入細動脈、グールマティ細胞(糸球体外メサンギウム細胞)