外反

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 外反とは、

  1. なにかが外側(そとがわ)にそりかえったり、でっぱたりすること
  2. 足関節の運動の向きのこと=外返し
  3. (本来はそう曲がれないはずの)関節が無理に外側に曲がって変形していること

などの意味で使われている。どの意味でも、対義語は内反

1. 外側にそる、曲がる、でっぱるなど

 この意味での外反は、広い意味で、いろいろなところで使われる。

言語表記発音、読み方
日本語医学外反がいはん
英語extorsionイクスーション

2. 足関節の回内のこと(=外返し)

言語表記発音、読み方
日本語医学外反がいはん
外返しそとがえし
英語eversionヴァージョン

 解剖学では、足関節の運動で、足底を外側に向ける運動(=主として回内、これに外転背屈も加わる)を主に起こす距骨下関節の運動を外反と呼ぶことがあるが、次の3の意味と紛らわしいので、臨床ではこの言い方を使わず、外返しという。

3. 関節が無理に外側に曲がること

 ある関節から先が外側(がいそく)に無理に反るように曲がっていること、またはそのように変形した状態をいう。

言語表記発音、読み方
日本語医学外反がいはん
英語・ラテン語valgus(英語読み)ヴァルガス
(ラテン語読み)ウァルグス

 外反は、その関節が本来はその方向には曲がらないようにできているときに、無理な力がかかるなどして曲がってしまうことをいう。

外反母趾について

 「外反母趾」とは、足の親指(母趾)が他の指の側(あるいは体の外側方向)に曲がってしまうこと。外反母趾ときの「外反」の向きは、「足の親指の外転」の向きとは逆になっているのに注意する。母趾の外転とは、親指を他の指(あるいは足の正中)から離す向き(=外転)に動かすことなので、体の内側に動かす運動を指す。

カテゴリー: 方向 | 運動

 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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