肥満細胞 のバックアップソース(No.2)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 
 ''肥満細胞''とは、''マスト細胞''とも呼ばれる[[免疫系]]の[[細胞]]で、細胞内に[[ヒスタミン]]などが含まれる[[顆粒]]を大量に蓄積していて、ヒスタミンを[[分泌]]して[[アレルギー反応]]を起こす細胞。[[骨髄]]の[[造血幹細胞]]からつくられる[[血球]]系の細胞で、全身の[[皮膚]]の[[皮下組織]]やそれ以外の[[粘膜]]内や[[粘膜下組織]]などの[[結合組織]]に散らばって、または集まっている。

 [[アレルギー反応]]は、[[IgE]](免疫グロブリンE)の放出がきっかけでおこる。肥満細胞はIgEの[[受容体]]をたくさんもっていて、IgEに反応して、細胞内の[[顆粒]]から[[ヒスタミン]]、[[ヘパリン]]などを細胞外に放出し、[[炎症]]を引き起こす。

 マスト(mast)とは、森の地面にどんぐりなどの木の実がたくさん降り積もったものを指すことば。ここから、どんぐりなどをたくさん含んだ(ブタに出荷前に食べさせる)肥育用のエサを指す言葉になり、家畜の肥育を指すことばになった。肥満細胞(マスト細胞)の由来は、[[細胞]]内に(どんぐりを含んだエサのような)[[顆粒]]がたくさん詰まっていて、細胞がまるまると太っていることから。肥満細胞が人間を太らせたり[[肥満]]の原因になったりするわけではないし、細胞内に[[脂肪]]を蓄えている[[脂肪細胞]]ともまったくの別物。肥満細胞という名前がまぎらわしいのが誤解のもとなので、マスト細胞や顆粒細胞という呼び方が使われるようになってきている。
 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
 どのページにでも自由にリンクしてください。でも、このサイトの文を他の場所に転載(コピー・ペースト)しないでください(コピーした内容に間違いがあったとき、その間違いはその後このサイト上では誰かに修正されるかもしれませんが、あなたがコピーした先では間違ったまま残ってしまいます)。