副腎
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
腎上体でこの項目を参照しています
副腎とは、腎上体とも呼ばれ、多数のホルモンを分泌する内分泌系の器官。腹部で腎臓のすぐとなり(上方)にあるため、この名がある。ただし腎臓と直接つながっているわけではない。
* ren はラテン語で腎臓の意味で、renal は、「腎臓の~」。また、この場合の ad- は、すぐ近くにくっついていることを示す。gland を省いて、単に adrenal ともいう ** supra- は「~の上の」 |
内部は、外側を取り巻いている層と、中心部の2層構造になっており、それを皮質、髄質と呼ぶ。皮質と髄質は、発生の上では別の組織からできてくる、由来の違う器官。
- 副腎皮質
- 泌尿器や生殖器に近い中胚葉性。ここから分泌されるホルモンを、副腎皮質ホルモン(=コルチコイド)という。みなステロイドホルモン。大きく分けて3種類のホルモン、電解質コルチコイド、糖質コルチコイド、アンドロゲン(男性ホルモン)が分泌される。詳細は副腎皮質に。
- 副腎髄質
- 末梢神経と同じ外胚葉の神経提の細胞群由来。交感神経の節後ニューロンと同じように、アドレナリン(=エピネフリン)、ノルアドレナリン(=ノルエピネフリン)を分泌する。神経伝達物質として少量分泌されるわけではなく、血液中に大量に分泌されるので、全身的に作用を及ぼす。