回内 の変更点
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
''回内''とは、運動の種類(方向)で、[[前腕]]の運動と[[足関節]]の運動だけで使われる言い方。その名前のとおり、[[内側]]に回わす([[回旋]]させる)向きだが、その運動での[[関節]]の使い方が特殊なので、通常の[[内旋]]とは区別される。反対向きの運動は[[回外]]。回内された状態のことを、[[回内位]]と呼ぶ。回内の運動を起こす筋は[[回内筋]]。 ''回内''とは、運動の種類(方向)のひとつで、[[前腕]](手)と[[足]]の運動で使われる言い方。動きの向きとしては、その名前のとおり、「[[内側]]に回わす」向きで、右半身では左回り(反時計回り)、左半身では右回り(時計回り)。回内と反対向きの運動は[[回外]]。回内された状態のことを、[[回内位]]と呼ぶ。回内の運動を起こす筋は[[回内筋]]。 |>|~言語|~表記|~発音、読み方| |日本語|医学|[[回内]]|かいない| |>|英語|pronation |プロ''ネ''イション| |>|ラテン語|pronatio |プロナティオ| |>|英語|pronation * |プロ''ネ''イション| |>|ラテン語|pronatio * |プロナティオ| * 前腕の回内 [#gc0870fa] [[前腕]]では、[[肘]]を固定して[[手首]]を回転させる運動のうち、回転方向が右手で反時計回り、左手で時計回りの運動が回内。これは、([[手]]を体の前に伸ばしているときに)[[手のひら]]を下に向ける運動(または、[[上肢]]を体の横で下に下げた状態で手のひらを体の後ろに向ける運動)に相当する。 | * | pronation, pronatio の元の意味は、地面に伏せる、うつぶせになる。手のひらを地面に向ける動きのこと |f [[前腕]]の回内は、前腕の2本の[[骨]]である[[橈骨]]と[[尺骨]]の位置のずれによって生まれる。[[手のひら]]を上に向けているとき、前腕は[[回外]]の位置にあるが、前腕の[[橈骨]]と[[尺骨]]は平行になっている。そこから手のひらを下に向ける(回内させる)運動で、親指側にある橈骨が、小指側の尺骨の上を内側に回り込む。その結果、回内の状態では、橈骨と尺骨は交差している。橈骨と尺骨の間のずれは、橈骨と尺骨の間の2箇所の関節([[肘]]にある[[上橈尺関節]]、[[手首]]にある[[下橈尺関節]])によって起こる。 「位置を変えずにその場で回転」させる運動を、ふつうは[[回旋]]といい、内側に回転させる向きの回旋を[[内旋]]という。[[上腕]]([[肩関節]])、[[大腿]]([[股関節]])、[[下腿]]([[膝関節]])では内旋ができる。一方、手([[前腕]])や[[足]]を回転させる運動では、回旋(内旋)を使わず、手のひらを地面に向けるような回転方向の運動を回内、足でもそれと同じ回転方向の運動を回内という。 * 前腕(手)の回内 [#gc0870fa] [[前腕]]では、[[肘]]を固定して[[手首]]を回転させる運動のうち、[[手]]を体の前に伸ばしているときに、[[手のひら]]を下に向ける運動(または、[[上肢]]を体の横で下に下げた状態で手のひらを体の後ろに向ける運動を回内という。 [[前腕]]の回内では、前腕の2本の[[骨]]である[[橈骨]]と[[尺骨]]の間で、橈骨が尺骨のまわりを回りながらずれる。これは、橈骨と尺骨の間の2箇所の関節([[肘]]にある[[上橈尺関節]]、[[手首]]にある[[下橈尺関節]])で起こる。[[手のひら]]を上に向けているとき、前腕は[[回外]]の位置([[回外位]])にあるが、このとき、前腕の[[橈骨]]と[[尺骨]]は平行になっている。そこから手のひらを下に向ける(回内させる)運動で、親指側にある橈骨が、小指側の尺骨の上を内側に回り込む。その結果、回内の状態では、橈骨と尺骨は交差している。 * 足の回内 [#c13f87fe] [[足]]では、[[下腿]]を固定して足の裏([[足底]])を[[外側]]に向ける運動を回内という。これは[[足関節]]のうちの[[距骨下関節]]の運動によって起こる。 > カテゴリー: [[方向>category/方向]] | [[運動>category/運動]]