腱鞘 の変更点

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 ''腱鞘''とは、[[手首]]や[[足首]]、[[指]]などにある、[[腱]]の周囲を包んでいる「さや」の一種で、腱が周囲の[[組織]]に押さえつけられて動きが悪くなるのを防ぐはたらきがある。

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|腱鞘 |けんしょう |
|>|英語|tendon sheath |''テ''ンドン・''スィ''ース |
|~|~|sinovial sheath * |スィ''ノ''ヴィアル・''スィ''ース |
|>|ラテン語|vagina tendinis ** |ウァギナ・テンディニス |

| * |  特に内層である滑液層のあるもの、または滑液層そのものを呼ぶ |f
| ** |  vagina は単独では[[腟]] の意味にもなるが、もとのラテン語では「さや」の意味 |f

 腱鞘は2層構造になっていて、内側は、内部に[[滑液]]という液体がたまっている袋状の構造([[滑膜層]])が[[腱]]のすぐまわりを取り巻いて、その外側に厚い[[結合組織]]の層(線維層)がある。これは、ヒモ(腱)のまわりを、水を少し入れて口を閉じたビニール袋(滑膜層)で包み込み、その外側をぞうきん(線維層)で巻いたような感じ。腱は滑液に直接浸っているわけではない。

 腱鞘がある場所では、多数の[[腱]]が並んで通っていて、[[関節]]の曲げ方などによっては、腱に外からの強い力がかって圧迫されやすい。腱鞘の[[滑膜層]]は、水クッションとして、腱の一ヶ所だけが強く押さえつけられないように、力を全体に分散させて、腱の動きをよくする。

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