ミトコンドリア のバックアップソース(No.1)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 
 ''ミトコンドリア''とは、[[細胞小器官]]のひとつで、[[細胞]]の[[細胞質]]内にたくさん散らばっている。ミトコンドリアは、細胞の活動に必要なエネルギーをATPなどの形で作り出す。ミトコンドリア内部にはそれに使われる一連の酵素類がある。

 [[真核生物]]([[動物]]、[[植物]]、[[菌類]]など)のすべての[[細胞]]にある。細胞内で大量のエネルギーを使う細胞、たとえば、[[筋細胞]]や[[肝細胞]]、[[神経細胞]]などで特に多い[[細胞小器官]]である。形は、粒状または糸状という言い方をされバラエティに富んでいるが、生物の種類と細胞の種類によってだいたい決まっている。ミトコンドリア mitochondria は mito- が糸、chondro- が粒の意味。日本語の名前、糸粒体はここから来ている。

 サイズは太さが0.5〜1μmぐらい。[[二重膜]](外膜と内膜)に囲まれ、外膜はデコボコがないが、内膜は内部に向かってひだ状または指状に飛び出している。これは[[クリステ]]と呼ばれる。内膜の内側の基質にはクエン酸回路や脂肪酸のβ酸化に関する酵素があり、内膜の膜上に電子伝達系の酵素がある。

 ミトコンドリアの起源は、もともとは独立の[[細菌]]だったものが、[[細胞]]に取り込まれ、細胞と細菌が共生関係になり、長い年月のうちに細胞から出て生きる能力を失って[[細胞小器官]]になったという説が有力である(ミトコンドリア共生起源説)。ミトコンドリア内に [[DNA]] があり、ミトコンドリア内の一部の蛋白質を合成しているのも、これを裏付ける。
 
 

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