皮枝
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
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皮枝とは、体を走る末梢神経が途中で枝分かれしたとき,神経の枝が皮膚だけに分布するときの名称。「〇〇神経の皮枝」というような呼び方をする。神経の枝が筋だけに分布するときの筋枝と対比される。皮枝を「△△皮神経」という別の名前をつけて呼ぶ場合もある。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 皮枝 | ひし |
英語 | cutaneous branch | キューテイニアス・ブランチ | |
ラテン語 | ramus cutaneus | ラムス・クタネウス |
皮膚だけに分布する神経のことを、枝分かれする前の神経の名前を使って「〇〇神経の皮枝」と呼ぶか、その枝だけの名前として「△△皮神経」と呼ぶかは、名前の付け方が違うだけ。実例:上肢にある筋皮神経は皮枝と筋枝に分かれるが、その皮枝には外側前腕皮神経という名前がつけられている。ここで、筋皮神経の皮枝=外側前腕皮神経 である。
体で太い神経が通る場所は、動脈などと同じく、皮膚から遠い、体の奥のほう(深層)であることが多いが、皮膚の感覚を伝える神経は、筋肉の運動を支配する神経と枝分かれしたあと、より体の表面の近くに出てきて、皮下組織を走行する。皮膚にだけ分布する神経を、皮神経とか皮枝と呼ぶ。
皮神経や皮枝は、皮膚の感覚を伝える感覚性の神経線維が多く含まれるが、皮膚の血管や毛根の立毛筋を支配する自律神経も含んでいる。骨格筋の運動を支配する運動神経は含まない。皮神経や皮枝は皮膚の近くを通る神経なので、体のケガで傷つきやすいが、この神経が切れても、筋の運動の障害は生じない。