正中 のバックアップの現在との差分(No.1)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

  • 追加された行はこの色です。
  • 削除された行はこの色です。
 ''正中''とは、何かの中央、とくに左右の中心のこと。ヒトの体全体についていうときの正中とは、右半身・右半身をちょうど等しく分けるような、[[頭部]]から[[体幹]]にかけて、左右の中心線をさす。その他、[[上肢]]や[[下肢]]でも正中を使う。
#author("2020-02-28T15:06:54+09:00","","")
 ''正中''とは、何かの中央、とくに左右の中心のこと。ヒトの体全体についていうときの正中とは、右半身・右半身をちょうど等しく分けるような、[[頭部]]から[[体幹]]にかけて、左右の中心をさす。その他、[[上肢]]や[[下肢]]についても正中を使う。

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|正中|せいちゅう|
|>|英語|median (*1)|''ミ''ディアン|
> *1  統計学でつかう「中央値(メディアン、メジアン)」と同じ言葉(中央値とは、数字がいくつかあるとき、その数字を大きさの順に並べて、はじから数えていって、全体の半分の個数のところにある、ちょうど中間の数字の値のこと)
|>|英語|median* |''ミ''ディアン|

**体の正中 [#z271cffb]
 正中の位置で、体を右と左の2つの部分に分けるような断面を[[正中面]](正中矢状面)、正中面をつくるような切断のやりかたを[[正中断]](正中矢状断)という。
| * |  統計学で使う「中央値(メディアン、メジアン)」と同じ言葉(中央値とは、数字がいくつかあるとき、その数字を大きさの順に並べて、端から数えていって、全体の半分の個数のところにある、ちょうど中間の数字の値のこと)|f

 正中断、正中面は、[[矢状断]],[[矢状面]]のうちの特殊な一種である。矢状断は、体を左右2つに切断するような断面をすべていうので、断面の位置を左右へ少しずつずらせば、無数の異なった矢状面が得られる。そのうち、ちょうど左右のどまんなかの1枚の断面が正中面である。
 正中(左右の中心線)を基準とした向きの言い方には、内側/外側、または内方/外方がある。正中に近い側を[[内側]]、近づく方向を[[内方]]と呼び、正中から遠い側を[[外側]]、遠ざかる向きを[[外方]]と呼ぶ。

**「正中」のつく構造の例 [#k6e17adf]
: [[正中神経]] | 正中神経(median nerve ''ミ''ディアン ''ナ''ーブ)は、[[肘]]から先(=[[前腕]]と[[手]])の一部の[[皮膚感覚]]や[[筋]]の運動を支配する[[神経]]。前腕で、[[橈側]]と[[尺側]]のちょうど中間、つまり前腕の中央(正中)を通るのでこう呼ばれる。
* 体の正中 [#z271cffb]

 正中の位置で、体を右と左の2つの部分に分けるような断面を[[正中面]](正中矢状面)または正中断面(正中矢状断面)、正中面をつくるような切断のやりかたを[[正中断]](正中矢状断)という。また、正中面にあたる位置で[[体表]](体の表面)に引いた線を[[正中線]]という。

 正中断、正中面は、[[矢状断]],[[矢状面]]のうちの特殊な一種である。矢状断は、体を左右2つに切断するような断面をすべていうので、断面の位置を左右に少しずつずらせば、無数の異なった矢状面が得られる。そのうち、ちょうど左右のどまんなかの1枚の断面が正中面(=正中矢状面)である。

* 「正中」のつく構造の例 [#k6e17adf]

: [[正中神経]] | 正中神経(median nerve ''ミ''ディアン ''ナ''ーブ)は、[[肘]]から先(=[[前腕]]と[[手]])の一部の[[皮膚感覚]]や[[筋]]の運動を支配する[[神経]]。前腕で、[[橈側]]と[[尺側]]のちょうど中間、つまり前腕の中央(正中)を通るのでこう呼ばれる。
: [[第4脳室正中口]](マジャンディ孔) |[[第4脳室]]の中央、[[小脳]]の下方にある穴。[[脳室]](=[[脳]]の内側の空洞)と、[[くも膜下腔]](=脳の外側のすき間)をつなぐ穴で、第4脳室の[[背側]]中央にある。

#br
> カテゴリー: [[位置>category/位置]]

 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
 どのページにでも自由にリンクしてください。でも、このサイトの文を他の場所に転載(コピー・ペースト)しないでください(コピーした内容に間違いがあったとき、その間違いはその後このサイト上では誰かに修正されるかもしれませんが、あなたがコピーした先では間違ったまま残ってしまいます)。