上腸間膜動脈 の変更点

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

#author("2020-01-24T14:38:57+09:00","","")
#author("2020-02-12T14:21:49+09:00","","")
 ''上腸間膜動脈''とは、[[大動脈]]から直接、枝分かれする[[動脈]]のひとつで、[[腹腔]]の[[内臓]]のうち、中ほどにあるいくつかの内臓([[膵臓]]、[[小腸]]([[十二指腸]]、[[空腸]]、[[回腸]])、大腸の一部([[結腸]]の3分の2)など)に[[血液]]を供給する。

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語 |医学 |[[上腸間膜動脈]] |じょうちょうかんまくどうみゃく |
|>|英語 |superior mesenteric artery |スー''ペ''リア・メッセン''テ''リック・''ア''ーテリー |
|>|ラテン語|arteria mesenterica superior |(ラテン語読み)アルテリア・メッセンテリカ・スペリオール |

 [[大動脈]]のうち、[[腹腔]]を通る部分を[[腹大動脈]]というが、腹大動脈からその前方にある腹腔内臓に向かって、大動脈の前面から出る枝は3本ある。上から[[腹腔動脈]]、上腸間膜動脈、[[下腸間膜動脈]]で、これらは対をなさず1本ずつしかない血管。

 上腸間膜動脈は、[[腹腔]]の上部([[横隔膜]]の下、[[第1腰椎]]の高さ)で腹大動脈から分かれる。その近くで[[膵臓]]と[[十二指腸]]に行く枝(下膵十二指腸動脈)を出したあと、[[腸間膜根]]に到達し、ここで[[空腸]]や[[回腸]]に行く多数の枝(空腸動脈、回腸動脈)が分かれ、これらは[[腸間膜]](小腸間膜)内に入っていく。また、小腸に行く枝と同じく、大腸のうち、[[盲腸]]、[[上行結腸]]、[[横行結腸]]に行く枝(回結腸動脈、右結腸動脈、中結腸動脈)が分かれる。

 これらの臓器から出てきた[[血液]]は[[門脈]]に集まり、[[肝臓]]に流れ、[[肝静脈]]を通って[[大静脈]]に戻る。したがって、上腸間膜動脈に対応する名称の静脈、[[上腸間膜静脈]]という[[血管]]は存在しない。
 これらの臓器から出てきた[[血液]]は[[上腸間膜静脈]]という[[血管]]に集まった後、他の血管と合流して[[門脈]]に集まり、[[肝臓]]に流れ、[[肝静脈]]を通って[[下大静脈]]に戻る。したがって、[[上腸間膜静脈]]は下大静脈に直接つながっていない。

 [[十二指腸]]や[[膵臓]]は、[[腹腔動脈]]からも[[血液]]を受けとる。また、横行結腸の一部と[[下行結腸]]、[[S状結腸]]、[[直腸]]上部などは[[下腸間膜動脈]]から血液を受け取る。

> カテゴリー: [[循環器系>category/循環器系]] | [[心血管系>category/心血管系]] | [[血管>category/血管]] | [[腹部>category/腹部]]
 
 

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