骨基質
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
骨基質とは、骨そのものをつくっている構造で、骨の固さや弾力性をつくっている本体。リン酸カルシウムなどがアパタイトという化合物を作って含まれ、また、コラーゲンが細い線維になったもの(コラーゲン細線維)などのタンパク質も多く含まれる。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 骨基質 | こつきしつ |
英語 | bone matrix | ボウン・メイトリクス |
基質とは、何かのすき間を埋めている均一な物質の意味。
骨基質を有機物と無機物とに分けられる。有機物にはコラーゲン(I型コラーゲン)の細線維やその他のタンパク質がある。骨基質をつくる無機物は、骨塩とも呼ばれるが、リン酸カルシウムが主成分。リン酸カルシウム Ca3(PO4)2 は、ふつうはカルシウムイオン Ca2+ が3個とリン酸イオン PO43- が2個の割合でつくられるが、骨や歯ではこれとは違う割合で混合したアパタイト(リン灰石)という化合物をつくっている。アパタイトは、 Ca10(PO4)6(OH)2 の OH (水酸基)のように 別の陰イオン2個が追加された状態で安定化し、ここが OH のものをヒドロキシアパタイト(水酸化リン灰石)という。
骨は骨組織という組織でつくられている。骨組織は骨細胞、破骨細胞、骨芽細胞などの細胞と骨基質からできている。骨基質は、骨芽細胞、骨細胞が分泌して、その細胞のまわりに蓄積させていった物質。詳細は骨組織に。