『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 とは、外側を何かの構造によって囲まれ、外側と区切られた、袋状あるいは管状で中空の構造の内側にできた場所のこと。「~腔」の形で使われる。内側の場所は空洞で空気や液体が満ちていたり、内臓などが入っている場合などさまざま。

言語表記発音、読み方
日本語医学くう
医学以外こう
英語caveイヴ
cavityキャヴィティ
ラテン語cavitasカウィタス
cavumカウム

 「腔」の字を、「こう」でなく「くう」と読む読み方は、辞書には載っていないが、医学の分野でだけ習慣的に使われている読み方。したがって、それぞれの言葉を、医学の専門用語として用いるとき以外には、「腔」を「こう」と読む読み方が正しいとされる。

 たとえば、腹腔(ふくこう/ふくくう)、体腔(たいこう/たいくう)は、生物学の教科書では「ふくこう」「たいこう」と読むように書いてあるし、一般の雑誌や新聞に書かれているときには「ふくこう」「たいこう」とフリガナが振られる。また、医学用語に詳しくない人からは、「その字を『くう』と読むのは間違い」と指摘されたりもすることもある。

腔の例

  • 管腔(かんくう)
  • 胸腔(きょうくう)
  • 胸膜腔(きょうまくくう)
  • クモ膜下腔(くもまくかくう)
  • 口腔(こうくう)
  • 骨髄腔(こつずいくう)
  • 骨盤腔(こつばんくう)
  • 歯髄腔(しずいくう)
  • 心膜腔(しんまくくう)
  • 髄腔(ずいくう)
  • 体腔(たいくう)
  • 頭蓋腔(とうがいくう)
  • 内腔(ないくう)
  • 肺胞腔(はいほうくう)
  • 鼻腔(びくう)
  • 腹腔(ふくくう)
  • 腹骨盤腔(ふくこつばんくう)
  • 腹膜腔(ふくまくくう)

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コメント

  • 生物学でも腔は「くう」です。明治維新以前に生物学で〝腔”の字は使われていません。生物学が明治になり解剖と学と共に日本に入ってきました。日本で最初に生物学が講義されたのは今の東京大学の前身です。東大では腔は生物学分野も総て「くう」です。しかし、当時の小学校の教科書にはルビがありません。医学の知識のない先生が漢学者に聞き、「こう」としました。明治時代の多くの辞書は「くう」でした。「くう」の読みは学術語としての読みです。「こう」の読みは日本語に該当する事物が殆どありません。 「満腔」「南腔北調」この意味を正確に説明できますか?医学用語は正確に部位・臓器を判断できなければいけません。詳しくは yosihide.sakura.ne.jp/kuu-1.html を参照ください
 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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