リンパ節

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

リンパ腺でこの項目を参照しています

 リンパ節とは、体内のあちこちに点在する、米粒~エンドウ豆ぐらいの大きさの器官。必ずリンパ管とつながっていて、リンパ節の内部をリンパ液が流れるようになっている。リンパ節では、異物を発見したり、処理したり、また抗体をつくるB細胞(Bリンパ球)が成熟したりする。カゼなどの感染症で腫れるのがこれで、一般にはリンパ腺と呼ぶこともある。

言語表記発音、読み方
日本語医学リンパ節、淋巴節 *リンパせつ
一般リンパ腺、淋巴腺 **リンパせん
英語lymph node ***ンフ・ウド
lymph gland †ンフ・グンド
ラテン語nodus lymphaticusノドゥス・リンファティクス
*専門用語としては、リンパは漢字では書かないのがふつう
**分泌腺とは異なるので、専門用語としてはあまり使わない言い方
***lymph node は、リンパ節に対応する名前
lymph gland は、リンパ腺に対応する名前
 「リンパ」とはリンパ液のことで、ラテン語の名前 lympha (読み方:リンファまたはリンパ)から来ている。これに漢字の当て字をしたのが 淋巴。「淋」は水が伝って流れる意味の字で、「巴」は「パ」を漢字にするときによく使われる字(巴里:パリ、巴奈馬:パナマなど)。

 全身の組織から毛細血管に戻れなかった余分な組織液リンパ管に流れていく。リンパ管は次第に合流して最後は静脈につながるが、途中で必ず1回以上のリンパ節を通る。体内でリンパ節がどこに何コあるかは大体決まっていて、場所により腋窩リンパ節浅鼠径リンパ節などとまとめて呼ぶ名前がついている。

リンパ節の構造

 リンパ節には何本ものリンパ管がつながっている。リンパ管は2種類に分けられ、リンパ液が流れこむのが輸入リンパ管、リンパ節を通ったリンパ液が流れだすときに通るのが輸出リンパ管である。輸入リンパ管のほうが細く、数も多い。

 リンパ節の中で、リンパ管から流れ込んだリンパ液が通る通路は、リンパ洞と呼ばれ、リンパ節の中を網の目のように走る。リンパ節の表面近くには、リンパ小節リンパ球が成熟する場所)がびっしりと並んでいて、リンパ洞はそのすき間を通る。リンパ小節がある表面付近を、リンパ節の皮質、その内側を髄質と呼ぶ。

カテゴリー: 循環器系 | リンパ系 | 器官

 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
 どのページにでも自由にリンクしてください。でも、このサイトの文を他の場所に転載(コピー・ペースト)しないでください(コピーした内容に間違いがあったとき、その間違いはその後このサイト上では誰かに修正されるかもしれませんが、あなたがコピーした先では間違ったまま残ってしまいます)。