眼窩 の変更点

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

#author("2021-03-30T15:50:21+09:00","","")
#author("2021-04-30T17:19:35+09:00","","")
 ''眼窩''とは、[[眼球]]の入っている[[頭蓋骨]]の穴のこと。奥のほうが狭くなったくぼみになっていて、くぼみの壁も頭蓋骨でできている。内部には、眼球と眼球の向きを変える[[筋]]([[外眼筋]])、それらにつながる[[神経]]、[[血管]]などがあり、そのすき間は、[[脂肪組織]]などの[[結合組織]]が埋めている。[[顔面]]の側はまぶた(=[[眼瞼]])で覆われる。

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|[[眼窩]] |がんか |
|>|英語|orbit |''オ''ービット |
|>|ラテン語|orbita |(ラテン語読み)オルビタ&br;(英語読み)オービタ |

 [[顔]]を触ったときに、目の周りでさわることができる骨の縁が、眼窩の入口(=[[眼窩口]])である。眼窩内部の壁を[[眼窩壁]]という。眼窩口は四角形に近い形をしていて、眼窩は奥が尖った四角すいに似た形をしている。眼窩壁は、上壁、下壁、内側壁、外側壁に分けられる。眼窩の下壁を[[眼窩底]]ともいう。

 [[顔]]の部位で、眼窩のある場所を[[眼窩部]]という。


** 眼窩の壁を作る骨 [#f6fde349]
 眼窩をつくる[[骨]]は7つある。そのうち、[[眼窩口]]の周囲は3つの骨でできていて、上部が[[前頭骨]]、下部は[[内方]]が[[上顎骨]]で[[外方]]が[[頬骨]]。[[眼窩壁]]の最も奥のほうを作る骨は[[蝶形骨]]。他に、内側壁は[[涙骨]]や[[篩骨]]、下壁は[[口蓋骨]]もつくる。

|480|c
|&ref(orbit1.jpg,nolink,眼窩の壁をつくる骨);|
| ''図:眼窩の壁をつくる骨(左斜め前から見たところ)'' ((Source: [[BodyParts3D>http://lifesciencedb.jp/bp3d/]], © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under [[CC表示 継承2.1 日本 &ref(FrontPage/80x15.png);>http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.1/jp/]])) &br; 頭蓋のうち、眼窩をつくる骨に色がつけてある。眼窩口をつくる3つの骨は、前頭骨(深緑色 &color(#178d52,#178d52){  };)、上顎骨(オレンジ色 &color(#e87906,#e87906){  };)、頬骨(青色 &color(#0000ff,#0000ff){  };)。眼窩壁の最も奥の部分をつくるのは蝶形骨(ピンク色 &color(#ff00ff,#ff00ff){  };)で、他に内側に涙骨(黄緑色 &color(#00ff00,#00ff00){  };)や篩骨(黄色 &color(#ffff00,#ffff00){  };)、下壁は口蓋骨(水色 &color(#00ffff,#00ffff){  };)もつくる |f

** 眼窩にある穴 [#o017cdc3]
 眼窩にある主な穴には、[[視神経管]]、[[上眼窩裂]]、[[下眼窩裂]]の3つがある。視神経管と上眼窩裂は眼窩と[[頭蓋腔]]をつないでいて、下眼窩裂は眼窩と[[翼口蓋窩]](頭蓋骨の外側にある[[側頭下窩]]の奥まったくぼみ)をつなぐ。視神経管には、[[視神経]](第2脳神経)と[[眼動脈]]が通り、上眼窩裂には[[動眼神経]](第3脳神経)、[[滑車神経]](第4脳神経)、[[三叉神経第1枝(眼神経)>三叉神経]](第5脳神経)、[[外転神経]](第6脳神経)が眼窩に入るときに通る。


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