門脈 の変更点
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
#author("2020-02-23T18:11:17+09:00","","") #author("2020-02-23T18:34:08+09:00","","") ''門脈''とは、特殊なつながり方をする[[静脈]]の一種。 + 門脈という構造の名前 + 代表的な門脈である[[肝門脈]]のこと の意味で使われる。 |>|~言語|~表記|~発音、読み方| |日本語|医学|[[門脈]]|もんみゃく | |>|英語|portal vein |''ポ''ータル・''ヴェ''イン | |>|ラテン語|vena portalis|ウェナ・ポルタリス | |~|~|vena portae |ウェナ・ポルタエ | #contentsx * 門脈という構造 [#nedb2036] 構造としての''門脈''とは、静脈の途中で毛細血管に分かれるとき、その毛細血管の上流部分の静脈のこと。門脈とその先の毛細血管をあわせて門脈系と呼ぶ。体内ではごく限られた場所にしかない。 普通の血管は、 > 心臓 → 動脈 → 毛細血管 → 静脈→ 心臓 とつながる。毛細血管はその途中で1箇所だけである。しかし例外的に、静脈の途中でもう1度枝分かれをして、第2の毛細血管となる場所がある。通常の毛細血管と第2の毛細血管の間の静脈を門脈という。つまり、 > 心臓 → 動脈 → 通常の毛細血管 → 静脈(ここが門脈)→ 第2の毛細血管 → 静脈 → 心臓 となる。 門脈のある場所は体内でごく限られていて、代表的なのは、[[小腸]]、[[脾臓]]、[[膵臓]]などの腹腔内臓から[[肝臓]]に流入する[[肝門脈]]や、[[視床下部]]と[[下垂体]]をつなぐ[[下垂体門脈]]などがある。肝臓に流れ込む肝門脈がもっとも有名で、肝門脈のことを単に門脈とだけいうことも多い。 門脈を流れるのは[[静脈血]]で[[酸素]]をそれほど多く含まないので、門脈はその[[臓器]]の機能のための[[物質輸送]]を担う[[機能血管]]で、酸素を主として供給する[[栄養血管]]が別にあることもある。 * 肝門脈の略称 [#tf4640ba] > [[肝門脈]]でこの項目を参照しています ''肝門脈''とは、[[胃]]、[[小腸]]、[[大腸]]の一部、[[脾臓]]、[[膵臓]]などの中を[[毛細血管]]として通過した[[血液]]が集められる[[静脈]]のこと。 |>|~言語|~表記|~発音、読み方| |日本語|医学|[[肝門脈]]|かんもんみゃく | |日本語|医学|[[門脈]]|もんみゃく | |>|英語|hepatic portal vein |ヘ''パ''ティック・''ポ''ータル・''ヴェ''イン | |~|~|portal vein |''ポ''ータル・''ヴェ''イン | |>|ラテン語|vena portae hepatis |ウェナ・ポルタエ・へパティス | |~|~|vena portalis|ウェナ・ポルタリス | 肝門脈はその後、[[肝臓]]に入って枝分かれし、再び毛細血管となる。この血液はあまり酸素を含まないので、肝臓の[[細胞]]に酸素を供給するために、別の[[動脈]]([[肝動脈]])が肝臓に入る。つまり、肝臓には肝門脈と肝動脈と2系統の血液が流入する。肝門脈は、肝臓の機能のための血管で、小腸で吸収された栄養を肝臓で貯める、消化器で吸収された毒物を肝臓で分解する、膵臓の[[ランゲルハンス島]]の[[ホルモン]]([[グルカゴン]]など)を肝臓に送る、脾臓で分解された[[赤血球]]からの[[ビリルビン]]を肝臓に送る、などの機能を持つ[[機能血管]]である。 > カテゴリー: [[循環器系>category/循環器系]] | [[心血管系>category/心血管系]] | [[胸部>category/胸部]] | [[血管>category/血管]] | [[静脈>category/静脈]]