鼻腔 の変更点
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
> [[鼻の中]]でこの項目を参照しています ''鼻腔''とは、[[鼻]]の穴の中の空洞のこと。[[顔]]にある鼻の穴(=[[外鼻孔]])から始まり、いちばん奥はのどの上端(=[[咽頭上部]])につながる。[[肺]]につながる[[気道]]の最初の部分で、[[呼吸器系]]に含めて考える。[[におい]]を感じる場所があるので[[嗅覚]]の[[感覚器]]でもある。 |>|~言語|~表記|~発音、読み方| |日本語 |医学 |[[鼻腔]] |びくう* | |~|医学以外 |~|びこう | |~|一般 |[[鼻の中]] |はなのなか | |>|英語 |nasal cavity |''ネ''イザル・''キャ''ヴィティ | |>|ラテン語 |cavitas nasi |カウィタス・ナーズィ | |~|~|cavum nasi |カウム・ナーズイ | | * | 「[[腔]]」を「くう」と読む読み方は、医学の分野だけで行われる読み方で、辞書には載っていない。それ以外の分野では、「びこう」と読む |f 鼻腔は左右の幅が狭く、上下には長い空洞。中央(=[[正中]])に薄い壁([[鼻中隔]])があり、左右の鼻腔は隔てられている。鼻腔の両外側の壁は3段の棚のように張り出していて[[上・中・下鼻甲介>鼻甲介]]という。それぞれの下の空間が[[上・中・下鼻道>鼻道]]という、空気の主な通り道である。それぞれの鼻甲介と鼻中隔はわずかなすき間を残すように近づいていて、空気が狭いところを通るうちに体温に近付き、湿気が与えられるようになっている。もっとも後部では左右の上・中・下鼻道が合わさり1つの空間になり、[[咽頭]]の[[上部>咽頭上部]]へ続く[[後鼻孔]]となる。 ** 鼻粘膜 [#e10fd3df] 鼻腔に面した表面は[[鼻粘膜]]という[[粘膜]]に覆われている。また、粘膜下には[[鼻腺]]という[[外分泌腺]]がある。鼻粘膜は鼻腔内の場所によって違っている。 :[[鼻粘膜呼吸部]] | 鼻腔内のほとんどの鼻粘膜がこれ。呼吸部の粘膜は[[多列線毛上皮]]で覆われている。粘液を分泌する細胞が多く、その粘液で表面が覆われる。この上皮は[[気管]]などの[[気道]]の上皮と同じ。 :[[鼻粘膜嗅部]] | 鼻腔のもっとも上部にある、においを感じるごく狭い場所。鼻粘膜呼吸部の上皮に似ているが、その中ににおいを感じる[[嗅細胞]]がまざり、この細胞から大脳まで神経線維が伸びて、[[嗅神経]]を作る。 :[[鼻粘膜呼吸部]] | 鼻腔内の下部3分の2の鼻粘膜がこれ。呼吸部の粘膜は[[多列線毛上皮]]で覆われている。粘液を分泌する細胞が多く、その粘液で表面が覆われる。この上皮は[[気管]]などの[[気道]]の上皮と同じ。 :[[鼻粘膜嗅部]] | 鼻腔の上部3分の1にある、においを感じるごく狭い場所。鼻粘膜呼吸部の上皮に似ているが、その中ににおいを感じる[[嗅細胞]]がまざり、この細胞から大脳まで神経線維が伸びて、[[嗅神経]]を作る。 :[[鼻粘膜皮膚部]] | [[外鼻孔]](鼻の穴)の近くの狭い場所は[[鼻前庭]]と呼ばれるが、その粘膜は[[皮膚]]と同じような[[角化重層扁平上皮]]で覆われるので、こう呼ばれることがある。 > カテゴリー: [[呼吸器系>category/呼吸器系]] | [[感覚器>category/感覚器]] | [[頭頚部>category/頭頚部]] | [[鼻>category/鼻]]