おとがい
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
おとがいとは、顔の下端にある「下あご」が前方に突き出た場所のこと。これは、あごの骨(下顎骨)がが前方に盛り上ったところ、オトガイ隆起によってできている。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学・一般 | 頤 | おとがい |
英語 | chin | チン | |
ラテン語・英語 | mentum | (英語読み)メンタム (ラテン語読み)メントゥム |
* | 頤 の本来の読み方は「イ」だが、「おとがい」や「あご」の漢字として使うこともある |
下あごの中にある骨は、下顎骨の下顎体の部分。下顎体の下の縁を下顎底というが、下顎底の前方に向かって突き出している部分がオトガイ隆起である。オトガイ隆起は左右に特に盛り上がった箇所が1対あり、これをオトガイ結節という。「アゴが割れている」とき、その内部に発達したオトガイ結節がある。
頭部の中で、おとがいを含む場所のことをおとがい部と呼ぶ。
おとがいがあるのはヒトの特徴といわれ、現生人類(Homo sapiens ホモ・サピエンス)でもっともはっきりしていて、それ以前の旧人類(ネアンデルタール人 Homo neanderthalensis ホモ・ネアンデルターレンシス)までは目立たない。チンパンジー、ゴリラなどの類人猿にはおとがいがない。