顎下三角

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 顎下三角とは、体の部位の名前で、あごの下面の左右にある前後に長い三角形の場所のこと。あごの下面には、中央部におとがい下三角があり、その左右が顎下三角。 顎下三角には唾液腺のひとつである顎下腺などがある。頚部に含まれる。

言語表記発音、読み方
日本語医学顎下三角がっかさんかく、がくかさんかく
英語submandibular trianle *サブ-マンディビュラー・トゥライングル
digastric trianle **ダイストリック・トゥライングル
ラテン語trigonum submandibulare *トゥリゴヌム・スブマンディブラーレ
* triangle、trigonum が三角の意味
** digastric trianle は直訳すると 顎二腹筋三角 だが、日本語ではこちらの言い方はほぼ使われない

 顎下三角はあごの下面の左右にある三角地帯で、三角形の3つの辺は、下顎骨の下縁と顎二腹筋の前腹と後腹がつくる。顎二腹筋は前腹と後腹の2つの筋の部分からできていて、その間に中間腱がある。前腹はおとがい(あごの先端)と舌骨の側部の間、後腹は舌骨と側頭骨乳様突起の内側をつなぐ。顎下三角が実際に三角形をしているのはあごの下面の部分で、そこからエラ(下顎角)の後ろ(下顎角から耳の下まで)にも細く続いている。下顎角の後ろの部分を、下顎後窩(下顎後陥凹)と呼んで、狭い意味での顎下三角と区別することもある。

図:顎下三角(左斜め前から見たところ) *1
顎下三角に赤色(  ) がつけてある。あごの下の部分が狭い意味の顎下三角で、あごの後ろは下顎後窩ともいう。
顎下三角

カテゴリー: 体の部位 | 頭頚部


*1 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本 80x15.png
 
 

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