アクチン
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
アクチンとは、細胞内のタンパク質のひとつで、筋細胞(=筋線維)ではミオシンとともに、筋を収縮させる働きをもち、筋以外の細胞でも、細胞の枠をつくって形を維持する細胞骨格をつくったり、細胞内で物質を運ぶとき(物質輸送)に使われたりする。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | アクチン | |
英語 | actin | アクティン |
アクチン分子は分子量4万2千(42kDa)のポリペプチドだが、これが立体的に折れ曲がって球形のタンパク質になったものを、Gアクチン(G=globular、球状)と呼ぶ。Gアクチンは水溶性で、細胞質内にある。Gアクチンは、じゅず状にたくさん重合してつながり、長い線維をつくる。線維状になったものを、Fアクチン(F=fibrousまたはfilamentous、線維状)と呼び、アクチンの機能はこのFアクチンがはたしている。Gアクチンは、Fアクチンのサブユニットである。
細胞内でみられるFアクチンは、Fアクチンのまわりに他のタンパク質も結合した複合体になっているが、アクチンが主成分なので、これをアクチンフィラメントまたは微小フィラメント(マイクロフィラメント)という。筋細胞では、ミオシンフィラメントと対比させて、アクチンフィラメントのことを細いフィラメント、ミオシンフィラメントを太いフィラメントという言い方もする。