頚部
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
頚部とは、または頸部とは、いわゆる「首」のこと。単に頚(頸)ともいう。体の部位としての頚部の意味と、そこから一般化され、なにかの構造の中で首のような場所のことも頚部と呼ぶ。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 頚部、頸部* | けいぶ |
頚、頸* | けい、くび | ||
一般 | 首 | くび | |
英語 | neck | ネック | |
neck region | ネック・リージョン | ||
cervical region | サーヴィカル・リージョン | ||
英語・ラテン語 | cervix | (英語読み)サーヴィクス (ラテン語読み)ケルウィックス |
* | 「頚」と「頸」は異体字なので意味・読み方は同じで、どちらを使ってもよい |
頚部は首の意味から派生して、細長い器官(臓器)をいくつかの部分に分けて考えるとき、端から 頭部 - 頚部 - 体部 - 尾部 などと順番に名づける場合がある。特に頚部を使うときは、その場所が両側の場所よりも細くなっているときが多い。
頚部の位置と境界 †
体の部位のあたま(頭部)と胴体(体幹)とをつなぐ部分のこと。首の骨である頚椎のある場所に対応する。
頚部の下には、体幹の前面では胸部と接していて、体幹の後面では背部がつづく。頭部と頚部をまとめて呼ぶときには頭頚部を使う。頭部と頚部の境界は頭蓋がある場所とその下の頚椎のある場所。頚部と胸部の境界は鎖骨によってつくられている。頚部と後面の背部との境界は頚椎と胸椎の境界の高さ。
図:頚部(左斜め前から見たところ) *1 頚部に赤色( ) がつけてある |
図:頚部(左横から見たところ) *2 頚部に赤色( ) がつけてある |
図:頚部(左斜め下から見たところ) *3 頚部に赤色( ) がつけてある |
図:頚部(左斜め後ろから見たところ) *4 頚部に赤色( ) がつけてある |
頚部の中の区分け †
頚部は、前頚部、側頚部、後頚部に分けられるが、後頚部と側頚部の境界は僧帽筋の前縁で、前頚部と側頚部の境界は胸鎖乳突筋が作る。胸鎖乳突筋は斜めに走っていて、その前方と後方にそれぞれ大きな三角形をつくるので、胸鎖乳突筋よりも前部を前頚三角、胸鎖乳突筋よりも後部を外側頚三角(後頚三角)という。
*1 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本
*2 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本
*3 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本
*4 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本