肛門挙筋
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
肛門挙筋とは、肛門の周囲にあるいくつかの筋をまとめて呼ぶ言い方で、周囲から肛門を引き上げて支えるようにはたらくのでこう呼ばれる。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 肛門挙筋 | こうもんきょきん |
英語 | levator ani (muscle) * | リヴェイター・エイナイ(・マッスル) | |
ラテン語 | musculus levator ani * | ムスクルス・レウァトール・アニ |
* levator は、挙筋の意味で、挙筋とは対象を引き上げる作用を持つ筋 |
肛門は、骨盤の下に開いている大きな穴(=骨盤下口)の中央にある。排便のとき、お腹に力を入れて便を体外に押し出すが、肛門ごと体外に押し出されないように、肛門を周囲の骨から引っ張って支えているのが、肛門挙筋である。骨盤下口の周囲は寛骨と仙骨で囲まれる。骨盤下口をふさいでいる筋肉の壁を、骨盤隔膜というが、骨盤隔膜は、肛門挙筋や尾骨筋からできている。
肛門挙筋は、腸骨尾骨筋、恥骨尾骨筋、恥骨直腸筋(外肛門括約筋)からなる。